バイオテロに使用される可能性のある病原体等の新規検出法と標準化に関する研究

文献情報

文献番号
201225029A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオテロに使用される可能性のある病原体等の新規検出法と標準化に関する研究
課題番号
H23-新興-一般-007
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
倉根 一郎(国立感染症研究所 )
研究分担者(所属機関)
  • 森川 茂(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 井上 智(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 見理 剛(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 安藤 秀二(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 宮崎 義継(国立感染症研究所 生物活性物質部)
  • 堀野 敦子(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 黒田 誠(国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター)
  • 佐多 徹太郎(富山県衛生研究所)
  • 永田 典代(国立感染症研究所 感染病理部)
  • 倉園 久生(国立大学法人帯広畜産大学)
  • 田中 智之(堺市衛生研究所)
  • 岩本 愛吉(東京大学医科学研究所・先端医療研究センター)
  • 松本 哲哉(東京医科大学)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
44,766,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
バイオテロに利用される可能性のある病原体等は、感染し発症すれば非常に高い致死率を示す物が多い。一方通常の病院や検査機関では確定診断が困難であり、確定検査が遅れる可能性がある。バイオテロ対策としては、病原体の早期検知法の確立と迅速診断システムの整備が必須である。さらに、早期検出により、感染拡大を防止し、社会的なパニックを防止する必要がある。本研究では、バイオオテロの迅速な検出を可能とし、さらに感染防止策等の迅速な対応策の策定を可能とすることを目的とした。
研究方法
研究は研究代表者、研究分担者14名の計15名によって遂行された。研究においては、各人の研究分野を研究代表者が有機的に結び付ける形で遂行された。研究は、病原体特異的検査法の確立、病原体の網羅的検査法の確立、病理学的検査法の確立、検査ネットワークの整備、各病院への検査診断支援法の確立を目指して行われた。
結果と考察
特定病原体等に対する、遺伝子今朝法、抗原抗体検出法、毒素迅速検出法の確立と標準化を行った。特に、バイオテロに使用される可能性のある真菌の迅速検査法の確立のため、コクシジオイデス等の迅速検出系を確立し、地方衛生研究所との検査ネットワーク間での技術移転を行い、問題点についても整理した。病原体の網羅的検出法および未知の病原体検出法として、超高速病原体ゲノム解読システムの構築と包括的核酸迅速診断法のため、次世代シークエンサーによる超高速病原体ゲノム解読システムを構築し運用を開始した。病理学的手法や電子顕微鏡を用いた病原体検出法の確立のため、特定病原体等のレファレンス用写真リストの作製を継続した。臨床診断支援方法の開発および有効な治療方法の確立のため、バイオテロ対応ホームページ改訂し、これまでの15種類に新たに20疾患を追加した。
結論
本年度の研究により、バイオテロの迅速な検出が可能となり、防止策等の対応を迅速に取るための基盤整備が進展した。国民のバイオテロに対する不安の軽減が可能となり、模造事件やバイオテロ発生に対する抑止効果も期待される。また、バイオテロ対策について各医療機関の認識を高めることができる。さらに、国内の状況を考慮したマニュアルやガイドラインを作成するための基盤が確立された。

公開日・更新日

公開日
2013-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201225029Z