発達障害児を持つ家族の支援ニーズに基づいたレジリエンス向上に関する研究

文献情報

文献番号
201224028A
報告書区分
総括
研究課題名
発達障害児を持つ家族の支援ニーズに基づいたレジリエンス向上に関する研究
課題番号
H24-身体・知的-一般-007
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
稲垣 真澄(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 山下 裕史朗(久留米大学小児科)
  • 渡部 京太(国立国際医療研究センター国府台病院)
  • 平谷美智夫(福井大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
7,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
乳幼児期から成人期の発達障害児者を支援するためには、子ども及び子どもに関わる環境を含めたアセスメントが必要である。本研究は、様々なタイプの発達障害の保護者の支援ニーズを元に、保護者のレジリエンスすなわち「困難な状況においても克服できる力」を評価し、子どもの行動、レジリエンス、養育行動の関係を明らかにすること、さらに、母親のレジリエンスを向上させる要因を検討することを目的として行った。
研究方法
①発達障害医療に従事している医師やコメディカルへの面接調査、②小児科クリニックにおける保護者レジリエンス向上のための要因分析、③注意欠陥/多動性障害(ADHD)児の母親レジリエンス向上要因分析、④広汎性発達障害(PDD)児を持つ保護者への集団精神療法の効果について、解析した。
結果と考察
母親の不適応の状態が、医療機関に受診・通院し、支援者によって障害の認識が促されることにより、対処技能、価値観の変化、社会的支援の面で成長し、適応していくことが質的研究で推察された。また、児や保護者のニーズに則った医療・保健・福祉サービスが重要であることが示唆され、ADHD児の保護者が子どもに対して前向きの養育態度を促進させている要因として「家族からの支援」、「親役割から離れる時間」、「ADHDについての知識や対応の仕方に関する情報」が指摘された。
結論
初年度において、医療機関に所属する支援者を対象として面接調査を実施し、質的分析によって発達障害児の母親における適応過程を明らかにした。そして、一般成人のレジリエンスの要素と比較したところ、適応過程の最終的な経過がレジリエンスの要素に対応していることが示唆された。今後当事者を対象とした面接調査や大規模な質問紙調査を実施する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2013-06-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201224028Z