文献情報
文献番号
201224017A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者のQOL評価に基づくケアマネジメント手法開発の研究
課題番号
H23-身体・知的-一般-006
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
白澤 政和(桜美林大学 自然科学系)
研究分担者(所属機関)
- 小澤 温(筑波大学 人間系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
2,474,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、障害者のQOLを高めるという観点から、障害者ケアマネジメントの手法を開発し、同時に、そうしたケアマネジメント従事者の評価基準を提示することを目的とする。
研究方法
平成24年度は相談支援専門員(障害者自立支援法における相談支援事業者)に対して、相談支援の開始時と現在との利用者の変化について郵送による質問紙調査を実施した。関東および関西地区の相談支援専門員34名を対象にした。さらに、各担当の利用者を3名程度選定し、併せて質問紙を配布し回答を依頼した。
マッチングの結果、79名の利用者に関して担当者、利用者双方から回答を得ることができた。
マッチングの結果、79名の利用者に関して担当者、利用者双方から回答を得ることができた。
結果と考察
調査の結果、相談支援の利用開始時と現在との利用者の変化について、ADL、健康管理、経済生活、経済環境、移動・交通機関の利用、といった項目については大きな変化はみられなかった。その反面、心理・精神面、周囲との関係に関しては、ケアマネジメントに基づいた相談支援の取り組みにより、変化が大きいことが示唆された。
これらの結果から、相談支援専門員によるケアマネジメントでは、利用者の心理、精神面、周囲との関係面を調整することが重要である。このことを基盤に据えて、さまざまなサービス調整が行われ、利用者のニーズの充足と満足感の向上につながり、最終的には、QOLの向上につながっていくことが示唆された。
これらの結果から、相談支援専門員によるケアマネジメントでは、利用者の心理、精神面、周囲との関係面を調整することが重要である。このことを基盤に据えて、さまざまなサービス調整が行われ、利用者のニーズの充足と満足感の向上につながり、最終的には、QOLの向上につながっていくことが示唆された。
結論
本研究では、障害者のQOLを高めるという観点から、障害者ケアマネジメントの手法を開発し、ケアマネジメント従事者の評価基準を提示することを目的としている。平成24年度の研究結果から相談支援専門員による利用者に対しては、ADL、健康管理、経済生活・経済環境、移動・交通機関の利用といった項目よりも、心理・精神面、周囲との関係を重視した支援を行っていることが明らかになり、これらの着目点に応じたアセスメントとケアマネジメント実践に活用することができる。
相談支援専門員に必要な専門性に関する先行研究では、利用者のエンパワメントを高めるために、「デマンドからニーズを整理する力」を第一に重要な点として挙げているが、今回の研究の結果は、「デマンドからニーズを整理する」ためのアセスメント項目の構築とニーズの分析整理の枠組みを提示に関する手掛かりになったと考えている。また、今回は、相談神専門員と利用者のマッチングによる評価の類似点と相違点もあわせて分析しているため、両者の視点からみて、評価の高いケアマネジメントのあり方を検討することの第一歩となったと考える。
相談支援専門員に必要な専門性に関する先行研究では、利用者のエンパワメントを高めるために、「デマンドからニーズを整理する力」を第一に重要な点として挙げているが、今回の研究の結果は、「デマンドからニーズを整理する」ためのアセスメント項目の構築とニーズの分析整理の枠組みを提示に関する手掛かりになったと考えている。また、今回は、相談神専門員と利用者のマッチングによる評価の類似点と相違点もあわせて分析しているため、両者の視点からみて、評価の高いケアマネジメントのあり方を検討することの第一歩となったと考える。
公開日・更新日
公開日
2013-07-05
更新日
-