特定健診・保健指導開始後の実態を踏まえた新たな課題の整理と、保健指導困難事例や若年肥満者も含めた新たな保健指導プログラムの提案に関する研究

文献情報

文献番号
201222011A
報告書区分
総括
研究課題名
特定健診・保健指導開始後の実態を踏まえた新たな課題の整理と、保健指導困難事例や若年肥満者も含めた新たな保健指導プログラムの提案に関する研究
課題番号
H22-循環器等(生習)-一般-002
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 荒木田 美香子(国際医療福祉大学 小田原保健医療学部)
  • 草間 かおる(青森県立保健大学 健康科学部栄養学科)
  • 杉田 由加里(千葉大学大学院 看護学研究科看護システム管理学専攻)
  • 松尾 和枝(福岡女学院看護大学 地域看護学)
  • 水嶋 春朔(横浜市立大学大学院 医学研究科疫学・公衆衛生学部門)
  • 藤井 仁(国立保健医療科学院 研究情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特定健診・保健指導が開始されて5年が経過し、新たな保健指導のアプローチが必要な課題が浮かび上がってきている。その一つとして、保健指導を行っても行動変容を起こさずリスク因子が改善しない、あるいは体重は減少するもののHbA1c等のリスク因子の改善には至らない困難事例の問題があり、困難事例に効果的な支援方法を開発することは喫緊の課題である。一方、特定健診の対象年齢ではないものの、将来の生活習慣病予備群ともいえる若年肥満者に対する保健指導、および、特定保健指導の対象ではないものの、重症化の恐れがある受診勧奨域の者に対して医療機関につなげるための保健指導も十分に行われているとは言いがたい。そこで本研究では、【1】これらの新たな課題を整理し、【2】新たな保健指導プログラムの提案に資することを目的とする。また、【3】平成25年度から用いられる「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」(研修ガイドライン・事例集を含む)の改訂作業が円滑に行われるように、改訂案を作成する。
研究方法
上記のごとく、【1】特定健診・保健指導開始後の実態を踏まえた新たな課題の整理、【2】保健指導困難事例や若年肥満者も含めた新たな保健指導プログラム、【3】「標準的な健診・保健指導プログラム」改定案作成のそれぞれについて、分担して研究を進めた。
結果と考察
【1】自治体等の特定保健指導担当者へのフォーカスグループインタビューを実施し、特定保健指導の展開過程の全段階における困難だと感じた状況として計25項目、それに対する対応方法として、計124項目が明らかとなった。自治体と保健指導実施機関の特定保健指導従事者への調査から、経験率が高く自信度が低い項目については、保健指導者の能力を向上させることで体重減少などの保健指導の成果が期待できる項目であり、早急に研修を行うことが求められ、また経験率が低く自信度も低い項目に関してはテーマを絞って特定の研修を行うことなどにより、保健指導実施者の能力の向上が期待される項目と考えられる。
【2】全国市区町村の国保担当主管課の保健師に対する郵送調査結果より、40歳未満を対象とした健康診査および保健指導についても、生活習慣病予防等の目的の明確化、事業の位置づけとともに、費用対効果の資料となるような評価も行っていく必要があると考えられた。高校生を対象とした3年間の健康教育中心の保健指導により、身体計測を定期的に行うことは、成長発育段階の高校生にとって、健康管理に対する関心を高めることになると考えられ、身体計測結果と関連づけた生活習慣調査のフィードバックを行うことは、高校生に生活習慣病予防のための関心を高めるきっかけになると考えられた。
【3】「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」(事例集、研修ガイドライン)の案を作成した。平成25年度からの見直しに向けて、これらが活用されることが期待される。
結論
特定健診・保健指導が開始されて5年が経過し、この間に自治体等の保健師が認識するようになった特定保健指導展開過程に関する課題と対応方法、および保健指導技術の経験と自信について整理した。40歳未満若年者、中学生・小学生を対象とした健康診査および保健指導の現状について、実態を把握・分析した。また、高校生を対象とした生活習慣病予防のための健康教育を中心とした保健指導方法に取り組んだ。重症化の危険が高い受診勧奨域の者に対する介入プログラムの課題等について検討した。医療保険者における生活習慣病予防の好事例を事例集としてまとめた。こうした研究結果は、保健指導の質の確保・維持・向上に随時役立つほか、今後の特定保健指導等の見直しの際に、活用されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2013-07-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201222011B
報告書区分
総合
研究課題名
特定健診・保健指導開始後の実態を踏まえた新たな課題の整理と、保健指導困難事例や若年肥満者も含めた新たな保健指導プログラムの提案に関する研究
課題番号
H22-循環器等(生習)-一般-002
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 荒木田 美香子(国際医療福祉大学 小田原保健医療学部)
  • 草間 かおる(青森県立保健大学 健康科学部栄養学科)
  • 杉田 由加里(千葉大学大学院 看護学研究科地域看護システム管理学)
  • 藤井 仁(国立保健医療科学院 研究情報センター)
  • 松尾 和枝(福岡女学院看護大学 地域看護学)
  • 水嶋 春朔(横浜市立大学大学院 医学研究科疫学・公衆衛生学部門)
  • 矢野 周作(国民健康保険中央会(平成23年度))
  • 山下 留理子(国際医療福祉大学 小田原保健医療学部(平成22-23年度))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特定健診・保健指導が開始されて5年が経過し、新たな保健指導のアプローチが必要な課題が浮かび上がってきている。その一つとして、保健指導を行っても行動変容を起こさずリスク因子が改善しない、あるいは体重は減少するもののHbA1c等のリスク因子の改善には至らない困難事例の問題があり、困難事例に効果的な支援方法を開発することは喫緊の課題である。一方、特定健診の対象年齢ではないものの、将来の生活習慣病予備群ともいえる若年肥満者に対する保健指導、および、特定保健指導の対象ではないものの、重症化の恐れがある受診勧奨域の者に対して医療機関につなげるための保健指導も十分に行われているとは言いがたい。そこで本研究では、【1】これらの新たな課題を整理し、【2】新たな保健指導プログラムの提案に資することを目的とする。また、【3】平成25年度から用いられる「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」(研修ガイドライン・事例集を含む)の改訂作業が円滑に行われるように、改訂案を作成する。
研究方法
上記のごとく、【1】特定健診・保健指導開始後の実態を踏まえた新たな課題の整理、【2】保健指導困難事例や若年肥満者も含めた新たな保健指導プログラム、【3】「標準的な健診・保健指導プログラム」改定案作成のそれぞれについて、分担して研究を進めた。
結果と考察
【1】自治体および職域の特定保健指導担当者へのフォーカスグループインタビューを実施し、特定保健指導の展開過程の全段階における困難だと感じた状況として計25項目、それに対する対応方法として、計124項目が明らかとなった。自治体と保健指導実施機関の特定保健指導従事者への調査から、経験率が高く自信度が低い項目については、保健指導者の能力を向上させることで体重減少などの保健指導の成果が期待できる項目であり、早急に研修を行うことが求められ、また経験率が低く自信度も低い項目に関してはテーマを絞って特定の研修を行うことなどにより、保健指導実施者の能力の向上が期待される項目と考えられる。
【2】全国市区町村の国保担当主管課の保健師に対する郵送調査結果より、40歳未満を対象とした健康診査および保健指導についても、生活習慣病予防等の目的の明確化、事業の位置づけとともに、費用対効果の資料となるような評価も行っていく必要があると考えられた。高校生を対象とした3年間の健康教育中心の保健指導により、身体計測を定期的に行うことは、成長発育段階の高校生にとって、健康管理に対する関心を高めることになると考えられ、身体計測結果と関連づけた生活習慣調査のフィードバックを行うことは、高校生に生活習慣病予防のための関心を高めるきっかけになると考えられた。
【3】「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」(事例集、研修ガイドライン)の案を作成した。国保データベースシステムの出力様式の改良を行った。平成25年度からの見直しに向けて、これらが活用されることが期待される。
結論
特定健診・保健指導が開始されて5年が経過し、この間に自治体等の保健師が認識するようになった特定保健指導展開過程に関する課題と対応方法、および保健指導技術の経験と自信について整理した。40歳未満若年者、中学生・小学生を対象とした健康診査および保健指導の現状について、実態を把握・分析した。また、高校生を対象とした生活習慣病予防のための健康教育を中心とした保健指導方法に取り組んだ。重症化の危険が高い受診勧奨域の者に対する介入プログラムの課題等について検討した。医療保険者における生活習慣病予防の好事例を事例集としてまとめた。こうした研究結果は、保健指導の質の確保・維持・向上に随時役立つほか、今後の特定保健指導等の見直しの際に、活用されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2013-07-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201222011C

収支報告書

文献番号
201222011Z