循環器疾患等の救命率向上に資する効果的な救急蘇生法の普及啓発に関する研究

文献情報

文献番号
201222004A
報告書区分
総括
研究課題名
循環器疾患等の救命率向上に資する効果的な救急蘇生法の普及啓発に関する研究
課題番号
H24-心筋-一般-001
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
坂本 哲也(帝京大学医学部 救急医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 丸川 征四郎(医誠会病院)
  • 浅井 康文(雄心会函館新都市病院)
  • 長尾 建(日本大学医学部駿河台日本大学病院)
  • 森村 尚登(横浜市立大学大学院)
  • 畑中 哲生(救急救命九州研修所)
  • 石見 拓(京都大学環境安全保健機構 附属健康科学センター)
  • 清水 直樹(東京都立小児総合医療センター)
  • 横田 裕行(日本医科大学大学院)
  • 河野 元嗣(筑波メディカルセンター病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
循環器疾患等の救命率向上に資する効果的な救急蘇生法の普及啓発を目的とした。
研究方法
近年のわが国の心停止症例に対する既存のデータベースにおける入力項目を調査し比較検討した。PCPSの費用対効果についてQALYあたりの費用、またICERを算出した。また、低体温療法・冠動脈インターベンションとの併用、適切な手技、救急医療体制について検討した。AEDの適正配置に関してPADのQALYあたりの費用、ICERを発生場所毎に算出した。胸骨圧迫のみの45分間の簡易型心肺蘇生法講習による手技の長期維持効果に関する無作為化介入試験とマストレーニングプログラムの効果検証を行った。心原性院外心停止をきたした小中学生についての日本全国病院レベルの後方視的観察研究、小児OHCAの口頭指導を調査した。院外心停止患者に対する自動式心マッサージ器を用いた心肺蘇生の症例登録を進めた。声門上気道デバイスの添付文書の内容を調査した。救急蘇生統計のデータ分析を研究方法の中心としている論文について、専門家のピア・レビューを行った。医療機関における院内トリアージの実態に関する調査についてこれまでの研究を収集し分析した。
結果と考察
心停止に係る共通データベースの基本項目を策定することが望まれた。費用対効果はアクセシビリティを考慮して検討する必要があった。カニュレーション方法の更なる検討、マニュアルを更新し普及する必要がある。PADのICERが約968万円/QALYであることを考慮して、AEDの適正配置を提案する必要がある。簡略化した心肺蘇生法の講習は長期維持効果を検証した上で導入すべきである。児童生徒のOHCAに対し、学校AED、診療の標準化、学校検診、前向き登録制度が重要である。小児のOHCAに対する口頭指導の整備は遅れていた。院外心停止患者に対する自動式心マッサージ器を用いた心肺蘇生に関しては症例登録の増加が課題であった。声門上気道デバイスの添付文書の内容に留意すべきであった。救急蘇生統計の分析によって得られた個々の論文に応じて、その都度に活動プロトコルを修正するべきではない。院内トリアージのカテゴリー別の入院率、診察開始までの時間が重要であると考えられた。
結論
心停止の社会復帰を向上するには、市民教育の普及、小児への配慮、AEDの適正配置、PCPSの活用、関連デバイスの研究、救急蘇生統計の検討、院内トリアージの普及が重要である。

公開日・更新日

公開日
2013-07-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201222004Z