再発小細胞肺癌に対する標準的治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201221069A
報告書区分
総括
研究課題名
再発小細胞肺癌に対する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
H24-がん臨床-一般-008
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
後藤 功一(独立行政法人国立がん研究センター 東病院呼吸器内科)
研究分担者(所属機関)
  • 田村 友秀(独立行政法人国立がん研究センター中央病院)
  • 森  清志(栃木県立がんセンター)
  • 岡本 浩明(横浜市立市民病院)
  • 山本 信之(静岡県立静岡がんセンター)
  • 横山  晶(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 樋田 豊明(愛知県がんセンター中央病院)
  • 今村 文生(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター)
  • 中川 和彦(近畿大学医学部)
  • 武田 晃司(大阪市立総合医療センター)
  • 木浦 勝行(岡山大学病院)
  • 細見 幸生(東京都立駒込病院)
  • 里内美弥子(兵庫県立がんセンター)
  • 近森 研一(独立行政法人国立病院機構山口宇部医療センター)
  • 瀬戸 貴司(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター)
  • 工藤 新三(大阪市立大学大学院医学研究科)
  • 湊  浩一(群馬県立がんセンター)
  • 澤  祥幸(岐阜市民病院)
  • 西尾 誠人(公益財団法人がん研究会有明病院)
  • 野上 尚之(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
17,693,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
再発小細胞肺がん(初回治療が奏効し、治療終了から90日以上経過して再発を認めたsensitive relapse,75歳以下、ECOG PS0-2)を対象にして、現在の標準的治療法と見なされるノギテカン(NGT)療法に対するシスプラチン+エトポシド+イリノテカン療法(PEI療法)の優越性を検証することを目的とする。プライマリーエンドポイントは生存期間である。
研究方法
NGT療法は、ノギテカン1.0 mg/m2(day1-5)、3週間隔、4コースとする。PEI療法は、第1週目:シスプラチン(25 mg/m2, day 1)+エトポシド(60 mg/m2, day 1-3)、第2週目:シスプラチン(25 mg/m2, day 1)+イリノテカン(90 mg/m2, day 1)の2週間を1コースとして5コース(計10週)の治療法である。生存期間中央値(MST)を8ヶ月から12ヶ月に向上させることを見込み、目標症例数は180例で、集積期間は当初計画の4年から6年に変更した。
結果と考察
平成19年8月にJCOGプロトコール審査委員会の承認を得て、平成19年9月20日より試験を開始した。平成19年度9例、平成20年度43例、平成21年度34例、平成22年度33例、平成23年度33例。平成24年度28例が登録され、平成24年11月19日に目標の180例の登録が完了した。平成24年度後期定期モニタリングレポートによる167例の解析では、NGT療法と PEI療法それぞれにおけるグレード3以上の好中球減少85.2% vs 81.4%、ヘモグロビン減少24.7% vs 83.7%、血小板減少28.4% vs 43.0%、下痢0% vs 8.1%、発熱性好中球減少7.3% vs 30.2%であり、治療関連死亡は両群1例ずつ認められ、毒性は明らかにPEI療法が強いと考えられる。一方、平成24年11月21日現在の両群合わせた155例のMSTは1.32年であり、現時点で両群の差を知ることは出来ないが、高い治療効果が期待される。
結論
「再発小細胞肺がんに対する標準的治療法の確立に関する研究」では、「再発小細胞肺癌に対するNGT療法とPEI療法を比較する第III相試験(JCOG0605)」を平成19年9月20日より多施設共同試験として開始し、平成24年11月19日に180例の予定症例集積が完了した。現在2年間の追跡期間中である。

公開日・更新日

公開日
2013-06-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201221069Z