進行性大腸がんに対する低侵襲治療法の標準的治療法確立に関する研究

文献情報

文献番号
201221066A
報告書区分
総括
研究課題名
進行性大腸がんに対する低侵襲治療法の標準的治療法確立に関する研究
課題番号
H24-がん臨床-一般-005
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
北野 正剛(国立大学法人大分大学)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 聖一郎(国立がん研究センター中央病院腫瘍外科)
  • 河村 裕(自治医科大学附属さいたま医療センター外科)
  • 杉原 健一(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科腫瘍外科学分野)
  • 渡邊 昌彦(北里大学医学部外科)
  • 齋藤 典男(国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科)
  • 斉田 芳久(東邦大学医療センター大橋病院外科)
  • 絹笠 祐介(静岡県立がんセンター大腸外科)
  • 藤井 正一(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター下部消化管外科)
  • 大田 貢由(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター下部消化管外科)
  • 長谷川 博俊(慶應義塾大学外科学教室一般・消化器外科)
  • 山口 高史(国立病院機構京都医療センター大腸・骨盤外科)
  • 正木 忠彦(杏林大学医学部消化器外科学)
  • 村田 幸平(市立吹田市民病院)
  • 宗像 康博(長野市民病院外科)
  • 佐藤 武郎(北里大学東病院消化器外科)
  • 伴登 宏行(石川県立中央病院)
  • 安井 昌義(国立病院機構大阪医療センター消化器外科)
  • 関本 貢嗣(国立病院機構大阪医療センター消化器外科)
  • 久保 義郎(国立病院機構四国がんセンター消化器外科)
  • 工藤 進英(昭和大学横浜市北部病院消化器センター)
  • 前田 耕太郎(藤田保健衛生大学医学部下部消化管外科学)
  • 福永 正氣(順天堂大学浦安病院外科)
  • 八岡 利昌(埼玉県立がんセンター消化器外科および臨床遺伝学)
  • 森 正樹(大阪大学医学部消化器外科)
  • 奥田 準二(大阪医科大学一般・消化器外科)
  • 大塚 幸喜(岩手医科大学外科)
  • 山口 茂樹(埼玉医科大学国際医療センター消化器外科)
  • 池 秀之(済生会横浜市南部病院消化器外科)
  • 猪股 雅史(大分大学医学部総合外科学第一)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
19,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年わが国では大腸がん患者は年々増加傾向にあり、その治療法は外科的切除が第一選択とされている。内視鏡外科手術の進歩により、大腸がんに対する外科治療の中で腹腔鏡下手術の占める割合はこの20年間で年々に増加してきた。現在、大腸がんに対する適応は早期がん(stageI)から進行がん(stageⅡ/Ⅲ、さらにstageⅣ)へと拡大されつつあるが、進行がんに対する標準治療としての妥当性は未だ明らかにされていない。本研究は進行大腸がんに対する腹腔鏡下手術と開腹手術との多施設共同ランダム化比較試験(第Ⅲ相試験)を実施し、進行大腸がんにおける腹腔鏡下手術の標準治療として妥当性を明らかにすることを目的としている。
研究方法
国内の若手研究者を中心に腹腔鏡下手術の先進的27施設において、進行大腸がんに対する腹腔鏡下手術と開腹手術との長期成績、安全性に関する多施設共同ランダム化比較試験(第Ⅲ相試験)を実施する。 (1)stageⅡ/Ⅲ大腸がんに対する第III相試験 (2)stage IV大腸がんに対する第III相試験
結果と考察
進行大腸がんの中でstageⅡ/Ⅲ大腸がんに関しては、多施設共同第Ⅲ相試験を実施している。手術療法第Ⅲ相試験ではこれまで類のない1050症例もの患者登録を完了させ、今年度は短期成績を明らかにした。その結果、腹腔鏡手術の安全性および良好な術後早期経過(排ガスまでの日数・術後在院日数、鎮痛剤の使用回数)が示され、本内容を2012年開催の米国癌治療学会および日本癌治療学会にて公表した。短期成績の論文作成を行い現在、一流ジャーナルに投稿中である、さらに長期成績の解析を予定している。さらに手術写真に基づく中央判定結果やIC取得アンケート調査結果も発表予定である。stageⅣ大腸がんに関しては、原発巣の切除おいてその安全性と低侵襲性を明らかにするために第Ⅲ相試験を計画し、2013年1月より患者登録を実施した。本研究成果は、進行大腸がんに対する標準治療確立の重要なエビデンスとなり、大腸がん患者へのQOL向上のメリット、診療ガイドラインの作成や、在院日数短縮に基づく医療費削減など、厚生労働行政に大いに寄与することが期待できる。
結論
本研究は進行大腸がんに対する標準治療確立の重要なエビデンスとなり、大腸がん患者のQOL向上、大腸がん診療ガイドラインの作成や、在院日数短縮に基づく医療費削減、早期社会復帰による医療経済への貢献など、 厚生労働行政に大いに寄与することが期待できる。

公開日・更新日

公開日
2013-07-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201221066Z