非治癒因子を有する進行胃癌に対する胃原発巣切除の意義に関する国際共同研究

文献情報

文献番号
201221045A
報告書区分
総括
研究課題名
非治癒因子を有する進行胃癌に対する胃原発巣切除の意義に関する国際共同研究
課題番号
H23-がん臨床-一般-003
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
辻仲 利政(市立貝塚病院)
研究分担者(所属機関)
  • 栗田 啓(国立病院機構 四国がんセンター 上部消化管外科)
  • 野村 栄治(大阪医科大学 一般・消化管外科)
  • 高金 明典(函館厚生院函館五稜郭病院)
  • 寺島 雅典(静岡県立静岡がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
10,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
治癒切除不能な進行胃がんに対する減量手術の意義は、最も科学的に信頼できるランダム化比較第3相試験により検証する必要がある。
本研究は、減量手術の意義を検証する世界で始めてのランダム化比較第3相試験であり、JCOG初の国際共同試験として行われる。
研究方法
JCOGプロトコール(JCOG0705)に記載された方法に従って研究は行われる。
治療計画として、化学療法単独群(A群)では登録後14日以内にS―1+CDDPによる化学療法、減量手術群(B群)では登録後21日以内にプロトコール治療を減量手術およびS―1+CDDPによる術後化学療法を開始する。B群で行う減量手術は、開腹による胃切除およびD1郭清を原則とし、完全なD2郭清や他臓器の合併切除は許容しない。本試験の主要評価項目は生存期間、副次評価項目は無増悪生存期間および有害事象発生割合とした。登録期間4年、追跡期間2年とし、必要症例数は両群合計330名とした。
結果と考察
平成25年3月における登録症例数は、日本では89症例であり、韓国では74症例である。両国から定期モニタリングレポートが提出され、相互検討を行い、研究の同質性を担保した。いままでに14回の日韓研究者会議を開催した。韓国側のデータセンター(ソウル大学)とJCOGデータセンターの相互訪問と意見交換を継続して行っている。
両国でのサーベイランスの結果から、本研究の対象となる患者数は、胃がん発生の多い両国においても比較的少ないことが判明した。また、日本での同意取得率も50%以下と低い。本試験は登録に時間がかかっているが、得られた結果のもつ意義は大きく、科学的重要性も高い。
定期交流により、研究推進への共同意識が形成され、相互情報交換も機能してきており、国際共同研究に対する経験が蓄積されてきた。
結論
症例集積スピードが遅いが、研究は着実に進行している。165例の中間解析までは現状のプロトコールに従って研究を継続する。
中間解析の結果により、何らかの結論を得るか、もしくは予定症例数の見直しを行う。

公開日・更新日

公開日
2013-05-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201221045Z