進行期難治性B細胞リンパ腫に対する治癒を目指した自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201221028A
報告書区分
総括
研究課題名
進行期難治性B細胞リンパ腫に対する治癒を目指した自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法の確立に関する研究
課題番号
H22-がん臨床-一般-029
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
山本 一仁(愛知県がんセンター中央病院 臨床試験部/血液・細胞療法部)
研究分担者(所属機関)
  • 鵜池 直邦(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 血液内科)
  • 小椋 美知則(名古屋第二赤十字病院 血液・腫瘍内科)
  • 中田 匡信(社会医療法人北楡会札幌北楡病院 血液内科)
  • 渡辺 隆(独立行政法人国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科)
  • 横山 雅大(公益財団法人がん研究会有明病院 血液腫瘍科)
  • 今泉 芳孝(長崎大学病院 血液内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
16,522,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
悪性リンパ腫(ML)の中でマントル細胞リンパ腫(MCL)とハイリスク群びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の患者数は少なく、いずれの疾患も従来の化学療法での治癒率は満足すべきものではない。これらの稀少かつ予後不良な65歳以下のML患者を対象に導入化学療法と自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を一体化した第Ⅱ相試験とランダム化第Ⅱ相試験の2試験を実施し、稀少難治性MLに対して安全で高率な治癒が望める治療法を確立する。
研究方法
日本臨床腫瘍研究グループリンパ腫グループ(JCOG-LSG)で以下の2試験を実施する。
1.未治療マントル細胞リンパ腫(MCL)に対するrituximab併用導入療法(R-high-CHOP/CHASER)+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)の第Ⅱ相試験:JCOG0406試験
2.初発進行期かつ国際予後指標(IPI)高リスク群びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対するrituximab併用導入化学療法+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)のランダム化第Ⅱ相試験:JCOG0908試験
結果と考察
1.JCOG0406試験:平成24年6月22日に、予定登録数の45例に達したため、登録完了となった。重篤な有害事象として、二次悪性腫瘍(免疫不全関連移植後リンパ増殖性疾患)と遅発性ニューモシスチス肺炎が報告された。病理中央診断を2012年8月31日に実施した。今後、5年間の追跡をおこなう予定である。
2.JCOG0908試験:平成25年3月1日までに45症例が登録されている。予定の70例を完了するためには更に1.5~2年が必要と見込まれる。これまでのところ重篤有害事象は認められていない。
結論
2つの臨床試験(JCOG0406試験とJCOG0908試験)を実施した。これらの試験を通じて治癒率の向上と標準療法となりうる効果的で安全な治療法の確立を目指している。

公開日・更新日

公開日
2013-07-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201221028B
報告書区分
総合
研究課題名
進行期難治性B細胞リンパ腫に対する治癒を目指した自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法の確立に関する研究
課題番号
H22-がん臨床-一般-029
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
山本 一仁(愛知県がんセンター中央病院 臨床試験部/血液・細胞療法部)
研究分担者(所属機関)
  • 鵜池 直邦(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 血液内科)
  • 小椋 美知則(名古屋第二赤十字病院 血液・腫瘍内科)
  • 中田 匡信(社会医療法人北楡会札幌北楡病院 血液内科)
  • 渡辺 隆(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科)
  • 横山 雅大(公益財団法人がん研究会有明病院 血液腫瘍科)
  • 今泉 芳孝(長崎大学病院 血液内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
悪性リンパ腫の中で頻度が少なく、かつ、予後の不良なマントル細胞リンパ腫(MCL)と国際予後指標高リスクのびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の初回治療症例を対して、治療強度を強めた導入化学療法と自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を標準治療として確立することを目的として、2つの臨床試験(JCOG0406試験とJCOG0908試験)を実施した。
研究方法
日本臨床腫瘍研究グループリンパ腫グループ(JCOG-LSG)で以下の2試験を実施する。
1.未治療マントル細胞リンパ腫(MCL)に対するrituximab併用導入療法(R-high-CHOP/CHASER)+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)の第Ⅱ相試験:JCOG0406試験
2.初発進行期かつ国際予後指標(IPI)高リスク群びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対するrituximab併用導入化学療法+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)のランダム化第Ⅱ相試験:JCOG0908試験
結果と考察
MCLを対象としたJCOG0406試験は第Ⅱ相試験であり、2008年5月22日にJCOG臨床試験審査委員会でプロトコール承認され、2008年6月30日に登録を開始した。予定症例登録の45例に達したため、2012年6月22日に登録を完了した。これまでに重篤な有害事象として、二次悪性腫瘍(免疫不全関連移植後リンパ増殖性疾患)と遅発性ニューモシスチス肺炎が報告されている。2012年8月31日に病理中央診断を実施し、今後、5年間の追跡をおこなう予定である。
高リスクDLBCLを対象としたJCOG0908試験は、導入化学療法を比較するランダム化第Ⅱ相試験である。2010年6月2日にJCOG臨床試験審査委員会にてプロトコール承認され、2010年6月25日に登録を開始した。予定登録数は70例であるが、登録進捗が予想を下回っていたため、症例登録の推進等を目的としたプロトコール改訂をおこない2011年11月14日にVer1.1を発効した。改訂後、登録進捗は予定登録ペースとなり、2013年3月1日までに45例が登録されている。適格基準(AA-IPI Risk group の評価時期)の明確化、腫瘍崩壊症候群の予防・対処法の追記、CHASER療法の開始基準や薬剤投与量の明確化を目的としたプロトコール改訂をおこない、Ver.1.2を2012年5月7日に発効している。70例の予定登録を完了するためには今後1.5~2年が必要と見込まれる。
結論
これらの2つの試験(JCOG0406試験、JCOG0908試験)を通じて治癒率の向上と標準療法となりうる効果的で安全な治療法の確立を目指している。

公開日・更新日

公開日
2013-07-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201221028C

収支報告書

文献番号
201221028Z