文献情報
文献番号
201221020A
報告書区分
総括
研究課題名
未分化型早期胃癌に対する内視鏡切除の有効性および安全性に関する多施設共同研究
課題番号
H22-がん臨床-一般-021
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
小野 裕之(静岡県立静岡がんセンター 内視鏡科)
研究分担者(所属機関)
- 武藤 学(京都大学医学研究科内科学消化器内科学講座)
- 小田 一郎(国立がん研究センター中央病院 内視鏡部)
- 大野 康寛(国立がん研究センター東病院 消化管腫瘍科)
- 飯石 浩康(大阪府立成人病センター診療局 消化器内科)
- 田邉 聡(北里大学医学部)
- 貝瀬 満(虎の門病院 消化器内科)
- 西崎 朗(兵庫県立がんセンター 消化器内科)
- 丹羽 康正(愛知県がんセンター中央病院 内視鏡部)
- 森田 圭紀(神戸大学医学部附属病院 消化器内科)
- 土山 寿志(石川県立中央病院 消化器内科)
- 小山 恒男(佐久総合病院 胃腸科)
- 堀 伸一郎(四国がんセンター 内視鏡科)
- 粉川 敦史(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター内視鏡部)
- 本橋 修(神奈川県立がんセンター 消化器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
12,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、外科的切除が標準治療である、腫瘍径2cm以下かつ潰瘍(-)の未分化型粘膜内癌に対して、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行うことにより、外科的切除と同等の治療成績が得られる低侵襲治療の開発を目的とする。
国立がん研究センター中央病院とがん研有明病院における外科切除例の検討から、上記の対象病変のリンパ節転移の頻度は0%(0/310:95%信頼区間0~0.9%)であることが報告され、この上限0.9%は通常の外科切除における手術関連死亡1%よりも低いことから、内視鏡的切除を外科切除に替わる新しい標準治療の候補として臨床試験を行うことが妥当であると考えられるに至った。
国立がん研究センター中央病院とがん研有明病院における外科切除例の検討から、上記の対象病変のリンパ節転移の頻度は0%(0/310:95%信頼区間0~0.9%)であることが報告され、この上限0.9%は通常の外科切除における手術関連死亡1%よりも低いことから、内視鏡的切除を外科切除に替わる新しい標準治療の候補として臨床試験を行うことが妥当であると考えられるに至った。
研究方法
目的を達成するために多施設共同第II相試験を行う。
本試験の主要エンドポイントは「5年生存割合」、副次エンドポイントは、「全生存期間」、「無再発生存期間」、「5年胃温存割合」、「病変一括切除割合」、「有害事象発生割合」、「重篤な有害事象発生割合」である。
下記条件を満たす症例を対象とする。
1) 単発の胃癌である。
2) 治療前内視鏡下生検にて、組織学的に未分化型癌(por、sig)を含むことが確認されている。
3)深達度が内視鏡的にT1a(M)(粘膜内癌)と診断される。
4)内視鏡検査にて、腫瘍の最大径が2cm以下。
5)潰瘍所見を有さない。
6)ESDにて一括切除可能と判断される。
本試験の主要エンドポイントは「5年生存割合」、副次エンドポイントは、「全生存期間」、「無再発生存期間」、「5年胃温存割合」、「病変一括切除割合」、「有害事象発生割合」、「重篤な有害事象発生割合」である。
下記条件を満たす症例を対象とする。
1) 単発の胃癌である。
2) 治療前内視鏡下生検にて、組織学的に未分化型癌(por、sig)を含むことが確認されている。
3)深達度が内視鏡的にT1a(M)(粘膜内癌)と診断される。
4)内視鏡検査にて、腫瘍の最大径が2cm以下。
5)潰瘍所見を有さない。
6)ESDにて一括切除可能と判断される。
結果と考察
2010年12月24日にJCOGプロトコール審査委員会承認を得た。参加施設の審査委員会の承認後、2011年2月1日より試験登録を開始した。2013年2月28日時点での総登録数は307例であり、予定集積を上回るペースで登録が行われている。全国に広がる試験参加施設を擁し、研究を遂行中である。
本研究の結果、予想通りにESD後の再発がほとんどなければ、将来的には未分化型癌にもESDの適応を拡大することが可能となり、それによって胃を温存する治療が可能となり、胃切除によって起こりうるダンピング症候群、貧血、通過障害などの術後合併症を防止でき、胃がんに対する新たな低侵襲治療が確立する。
対象となる未分化型胃癌に対してESDを施行し、追跡するという、prospective studyはまだ行われておらず、本研究の結果により、ガイドラインの変更等、臨床に大きく寄与することとなる。
本研究の結果、予想通りにESD後の再発がほとんどなければ、将来的には未分化型癌にもESDの適応を拡大することが可能となり、それによって胃を温存する治療が可能となり、胃切除によって起こりうるダンピング症候群、貧血、通過障害などの術後合併症を防止でき、胃がんに対する新たな低侵襲治療が確立する。
対象となる未分化型胃癌に対してESDを施行し、追跡するという、prospective studyはまだ行われておらず、本研究の結果により、ガイドラインの変更等、臨床に大きく寄与することとなる。
結論
目的を達成するため、症例集積を進めていく。
公開日・更新日
公開日
2013-05-28
更新日
-