がん対策を評価する枠組みと指標の策定に関する研究

文献情報

文献番号
201220068A
報告書区分
総括
研究課題名
がん対策を評価する枠組みと指標の策定に関する研究
課題番号
H24-3次がん-指定-002
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 英樹(東京大学大学院医学系研究科 臨床疫学・経済学)
研究分担者(所属機関)
  • 宮田 裕章(東京大学大学院医学系研究科 医療品質管理学)
  • 後藤 満一(福島県立医科大学 第一外科)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学 医療政策情報学)
  • 高山 智子(国立がん研究センター がん対策情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本では、2006年に制定されたがん対策基本法に基づいて、国家戦略としてがん対策が実施されている。2012年6月に決定されたがん対策推進基本計画では、全体目標と各施策の活動成果を体系的に位置づけて、継続的に評価を行うことが求められている。一方で、これまでのがん対策では計画された活動と全体目標の関連が明確ではなく、患者のアウトカムの向上に寄与するかどうかが明確でない計画が設定されてきた。
本研究班の目的は、がん対策推進基本計画の各分野で全体目標を達成するために必要な成果、そしてその成果を達成するための活動の内容や活動の成果を含む理論枠組み(ロジックモデル)を策定していくことである。
研究方法
ロジックモデルとは、「活動の主体となる対象が有する物的・人的資源や時間の制約に基づいて、実現可能な活動を設計し、その活動の与える影響を検証するためのモデル」である。政策をActivities(活動)、Output(結果)、Outcome(成果)、Goal(全体目標)に区分する。Goal(全体目標)と関連付けながらOutcome、Output、Activitiesを配置することが重要であり、体制の整備だけでなく、Goal(全体目標)に寄与する過程(Process)や成果(Outcome)を組み込むことが必要となる。ロジックモデルを作成することのメリットは第一に、プロセス評価、インパクト評価、コスト・パフォーマンス評価といった他の評価で共有される基盤となることである。たたき台となるロジックモデルを研究班が既存資料の分析を元に作成した。そして、その原案を各分野の専門家に提示しながら、各分野でロジックモデルを用いた計画設定が可能かどうか、その計画設定の際に課題となる点は何かを検討した。
結果と考察
目標アウトカムとしては、内閣決定に基づき、「がんによる死亡の減少」、「全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」を設定した。それに到達するための中間的目標として「がん患者のQOLの向上」「治療成績の向上」「治療に対する満足度の向上」「患者・家族の苦痛の軽減」を掲げた。枠組み案については、各分野の専門家から一定の合意を得ることができた。
結論
今後は各分野で更にロジックモデルを精緻化し、アウトカムと中間目標の関係の実現を明示的かつ実施可能性を考慮しつつ、介入計画・測定評価につなげることが必要である。また計画を評価するための指標を設定していくことが求められる。

公開日・更新日

公開日
2013-08-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201220068C

収支報告書

文献番号
201220068Z