QOLの向上をめざしたがん治療法の開発研究

文献情報

文献番号
201220031A
報告書区分
総括
研究課題名
QOLの向上をめざしたがん治療法の開発研究
課題番号
H22-3次がん-一般-033
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
江角 浩安(独立行政法人 がん研究センター東病院)
研究分担者(所属機関)
  • 林 隆一(独立行政法人国立がん研究センター 東病院)
  • 井本 滋(杏林大学)
  • 齋藤 典男(独立行政法人国立がん研究センター 東病院)
  • 佐々木 寛(東京慈恵会医科大学附属柏病院)
  • 荒井 保明(独立行政法人国立がん研究センター 中央病院)
  • 池田 公史(独立行政法人国立がん研究センター東病院)
  • 武藤 学(京都大学大学院)
  • 全田 貞幹(独立行政法人国立がん研究センター東病院 臨床開発センター)
  • 宮下 光令(東北大学大学院)
  • 小松 浩子(慶應義塾大学)
  • 木下 寛也(独立行政法人国立がん研究センター東病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
53,063,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
QOLの向上をめざしたがん治療法の開発をめざし、基盤的な技術・概念を生み出し、臨床導入を行う事を目的とする。基本的には1)根治性を犠牲にせず治療に伴い失われる生体機能の最小化を可能とする機能温存、臓器温存を含めた新しい治療法の開発、2)がんの治療あるいは進展に伴って損なわれた生体機能、生活の質の回復・向上のための治療法の開発、3)がん治療やがんの進行の後にも残された機能の活用によるQOL向上の技術開発、4)がん治療に伴い傷害されるQOLは、臓器や進行度、治療法により多岐にわたるがQOLの評価法の開発を各研究課題と同時進行させることで、個別性を超えた評価を目指す。
研究方法
1)切除不能進行膵がん患者疼痛コントロールプログラム開発と牛蒡子エキスGBS-01の第一相、第二相試験、2)食道、頭頚部領域早期がん発生メカニズム、下咽頭がん喉頭温存手術における機能温存の促進、食道がん多発高危険度患者選択のための簡便な診断法・選別法を開発、3)骨盤内臓全摘術回避手術の開発、4)婦人科がん術後下肢リンパ浮腫予防手術の開発、5)乳癌の術後機能温存療法の開発、6)IVR臨床試験実施、7)上部消化管術後障害がん患者の<食>リハビリテーションプログラムの作成、8)皮膚管理プログラムの開発普及、9)臓器がんごとQOL指標の確立、10)患者・家族相談支援の方法開発を行なう、11)新しく看護相談の有効性の検証を始めた。
結果と考察
食道、頭頚部のがんに対する機能温存と根治性を両立した治療法、サルベージ法、リンパ浮腫など合併症を最小限にする治療法、従来であれば人工膀胱人工肛門を必要とする癌に対する機能温存手術の試み、IVRを用いたQOL回復法など臨床試験に繋ぎうる基盤技術を開発確立した。皮膚ケアを積極的に行い、化学放射線治療、分子標的薬治療の副作用の低減と完遂率を上げる方法を作った。完遂率は高くなった。難治癌の根治を目指した本研究組織で開発した低毒性抗腫瘍薬GBS-01の第一相臨床試験を行い、高い安全性と有効性を確認したので、医師主導治験の準備をし治験を開始した。臨床第IIそう試験中である。QOL評価指標確立の為国際的評価法の日本語版の開発、看護ケアからのがん治療の評価法、患者・家族の視点からのQOL・治療法の評価を進めた。看護相談を診断時からの緩和ケアの確立に有効な手段と考えられるが検証が必要。
結論
GBS-01の医師主導治験への導出、一部QOL尺度の開発完了、婦人科がんリンパ浮腫予防の臨床支援登録終了。また、分子標的薬治療、放射線治療における積極的皮膚ケア有効の証明。

公開日・更新日

公開日
2013-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201220031Z