高齢者在宅医療に関する多職種協働の阻害要因を克服する教育システムの構築に関する研究

文献情報

文献番号
201217020A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者在宅医療に関する多職種協働の阻害要因を克服する教育システムの構築に関する研究
課題番号
H24-長寿-一般-006
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
鳥羽 研二(独立行政法人国立長寿医療研究センター 病院)
研究分担者(所属機関)
  • 辻 哲夫(東京大学高齢社会総合機構)
  • 三浦 久幸(独立行政法人国立長寿医療研究センター)
  • 千田 一嘉(独立行政法人国立長寿医療研究センター)
  • 太田 秀樹(医療法人アスムス)
  • 和田 忠志(医療法人社団実幸会 いらはら診療所)
  • 亀井 智子(聖路加看護大学)
  • 真田 弘美(東京大学大学院医学系研究科)
  • 田高 悦子(横浜市立大学大学院医学研究科)
  • 百瀬 由美子(愛知県立大学看護学部)
  • 秋下 雅弘(東京大学医学部附属病院老年病科)
  • 大河内 二郎(介護保健施設 竜間之郷)
  • 神崎 恒一(杏林大学医学部)
  • 三上 裕司(日本医師会)
  • 武久 洋三(日本慢性期医療協会)
  • 大島 浩子(独立行政法人国立長寿医療研究センター)
  • 後藤 百万(名古屋大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
24,768,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
在宅での看取りは増加が鈍く、訪問看護も伸び悩み、在宅歯科への医師からの依頼は少ない。また軽度~中等度の救急搬送は10年で倍増し、地域で完結する医療が限界を迎えている。在宅医療の推進には、患者家族のニーズを満たす質の担保、トリアージ能力の養成による救急への負担軽減、エンドオブライフ教育による看取りの増加など、多職種の能力向上が喫緊の課題であるが教育システムの構築は著しく遅れている。当センターは平成23年度から、高齢者在宅医療専門看護師教育を開始し、教育テキストコンテンツが集積しつつある。東京大学の柏プロジェクトにおいても一般医家向けの在宅医療教育が進行している。これらの経緯を踏まえ、本研究では高齢者在宅医療の標準的教育カリキュラムを策定し構成項目に合致した事例集を作成し多職種の協働に資する「職種ごとの視点」を共同研究者が加筆作業する「多職種協働による教育資料の作成」を最大の特色とする。内外にこのような発想の教育資料はなく独創性は極めて高い。事例の収集にあたっては在宅医療における症状・所見の頻度や、在宅医療支援病棟における在宅から急性疾患で入院依頼となった疾患構成、症状頻度を基礎資料として個人情報保護法と倫理規定を遵守し、重要な要素をもれなく取り込み作成することとした。これらを実地に活かすため、多職種協働地域連携ケアプランと照合し、内容の過不足を検討すると共に、テキストの一部をDVD化し、医師会の在宅医療研修事業、全老健の教育研修、日慢協の研修事業、看護協会で研修事業での活用を図る。
研究方法
(1)系統的教育カリキュラムの作成
研究者の既存の成果(老年看護学、在宅医学、老年医学のテキスト、訪問看護の医療ニーズ)を基に、高齢者在宅医療における最低限度の骨子を作成する。
2)事例集の収集
在宅医療現場での事例収集は、症候の変化にはあっても、在宅の持続療養を可能にした例、療養プランによって看取りがスムースに出来た例などの成功事例と、病院などへの転院例や救急依頼して在宅医療から脱落した例、家での看取りが出来なかった例など、成功事例と課題事例を半々とする。
3))系統的カリキュラムに沿った、多職種教育用の系統講義パワーポイントの作成を行う。
4) 視覚理解が必要な場面は主要な診察、症候群ごとにDVDを作成する
結果と考察
研究者の既存の成果を基に、高齢者在宅医療における最低限度の6冊子(図)を作成した。看護教育研修(カリキュラムは以下の通り)に用い、研修者評価を受けた。 合計3600の自由記載評価があり、1000項目以上にわたって
分かりにくさが指摘された。 
これらを踏まえ、多職種用に専門用語を廃し、Q and A方式のテキスト作成を開始した。
在宅DVD 第一版の完成
4)在宅関連のDVDは収録を開始し、下記の各20分版Vol.1, Vol.3一部は撮影終了し、完成後1時間30分程度のエッセンスに編集して、研修用DVDにブラッシュアップする。
結論
多職種テキストの作成過程において、教育資材としてフィーッドバックすることにより、多職種の理解困難な仮題が明確になり、最新の知識を平易な表現と視覚効果で理解を深める画期的テキスト完成の道筋がついた。

公開日・更新日

公開日
2013-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201217020Z