在宅療養中の胃瘻患者に対する摂食・嚥下リハビリテーションに関する総合的研究

文献情報

文献番号
201217012A
報告書区分
総括
研究課題名
在宅療養中の胃瘻患者に対する摂食・嚥下リハビリテーションに関する総合的研究
課題番号
H23-長寿-一般-003
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 和泉(独立行政法人国立長寿医療研究センター 機能回復診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 才藤 栄一(藤田保健衛生大学 リハビリテーション医学I講座)
  • 東口 高志(藤田保健衛生大学 外科・緩和医療学講座)
  • 早坂 信哉(大東文化大学 スポーツ健康科学部 健康科学科)
  • 植田 耕一郎(日本大学 歯学部 摂食機能療法学講座)
  • 戸原 玄(日本大学 歯学部 摂食機能療法学講座)
  • 菊谷 武(日本歯科大学大学院 生命歯学研究科 臨床口腔機能学・口腔介助リハビリテーションセンター)
  • 内藤 真理子(名古屋大学大学院 医学系研究科 予防医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
8,290,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
経口摂取が困難な患者に対する胃瘻増設基準はあるが、経口摂取開始基準や抜去基準は存在しない。胃瘻患者は全国に約40万人と推察され、社会医療診療行為別調査によれば胃瘻の増設件数は、平成18年から平成20年までに3万件程度増加している。胃瘻は有用な栄養摂取方法であるが、増設後に経口摂取を再開する機会が得られる患者は少ない。つまり元来一時的な栄養摂取方法として開発された胃瘻が、半永久的に使われていることが多い。胃瘻の継続使用を一元的に望ましくないことと決めつけることはできないが、少なくとも現状把握を行うための大規模な横断調査、訓練効果をみるためのコホート調査を行い、胃瘻患者の経口摂取開始基準、ひいては患者およびご家族のQOLも考慮に入れた上で、胃瘻抜去基準策定のための研究を行うのが本研究の目的である。
研究方法
研究は①胃瘻交換を行う際に嚥下機能に推移がみられるか、②訪問診療場面で実際に摂食・嚥下のリハビリを行った場合に機能が改善するか、③胃瘻を作成する際にどのような基準で選択されており、どのような事項が申し送られているか、④施設等に入居している患者が入院して胃瘻造設されて退院した時にどのような事項が申し送られているか、また入院直前の状況と変化があったかについて幅広く調査を行うことで、医学的な意味合いでの胃瘻の適応や経口摂取開始基準について考える。さらに、⑤患者のQOL、⑥家族のQOLを併せて調査することで、医学的な意味合いのみならず、死生観などを含めて経口摂取開始や胃瘻抜去の適応基準などを考える。
結果と考察
上記①から④は昨年度よりの引き続きの調査であり、本年度は⑤の長期に嚥下障害が遷延し経管栄養にて経過している患者の家族に対するインタビューを新規に行った。調査開始は平成23年9月26日で、最終集計日時は平成25年2月7日時点とした。昨年度は主に調査票の作成に時間を費やしたため得られた各回答数は7から71件と少数であったが、本年度は119から204件と増加した。本年度は新たに⑤患者口腔機能とQOLに関する研究を開始したが計4回の会議を経てリサーチクエスチョンを作成した上で平成25年1月19日にFunctional Group Interview形式のインタビューを行うに至った。
結論
症例数は増加したが十分な数は得られていないために、引き続き前向き縦断調査および横断的な調査に関しても継続が必要であると考えられた。また、来年度はQOL調査の継続および、年度当初より経口摂取開始基準および胃痩抜去開始基準の策定について取り組み、研究を重畳する形で進めていく予定である。

公開日・更新日

公開日
2013-07-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201217012Z