文献情報
文献番号
201216010A
報告書区分
総括
研究課題名
ラジオ波焼灼システムを用いた腹腔鏡補助下肝切除術の多施設共同試験
課題番号
H24-被災地域-指定(復興)-010
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
若林 剛(岩手医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 金子 弘真(東邦大学 医学部)
- 前原 喜彦(九州大学 医学部)
- 上本 伸二(京都大学 医学部)
- 宮川 眞一(信州大学 医学部)
- 内山 和久(大阪医科大学 医学部)
- 馬場 秀夫(熊本大学 医学部)
- 北川 雄光(慶応義塾大学 医学部)
- 守瀬 善一(藤田保健衛生大学 医学部)
- 竹吉 泉(群馬大学 医学部)
- 久保 正二(大阪市立大学 医学部)
- 永野 浩昭(大阪大学 医学部)
- 新田 浩幸(岩手医科大学 医学部)
- 西塚 哲(岩手医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(被災地域の復興に向けた医薬品・医療機器の実用化支援研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
56,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
肝癌および肝良性疾患に対する腹腔鏡補助下肝切術の安全性および有効性を多施設共同試験により評価する。
研究方法
本術式の対象疾患は原発性肝癌、転移性肝癌、肝良性疾患、対象術式は拡大葉切除、葉切除、区域切除(外側区域切除を除く)とする。手術および術後早期の安全性と手術侵襲の評価項目として、術中出血量を主評価項目とし、副評価項目を手術時間、開腹移行率、合併症発生率、術後在院日数とした多施設共同試験とする。
目標症例数を80例とする。研究者とは関係のないデータセンター(東北大学病院臨床試験推進センターに依頼)をおき、データ管理を行う。平成26年までに症例の登録と解析を行い、その後結果を公表する。
目標症例数を80例とする。研究者とは関係のないデータセンター(東北大学病院臨床試験推進センターに依頼)をおき、データ管理を行う。平成26年までに症例の登録と解析を行い、その後結果を公表する。
結果と考察
(研究結果)
平成24年度は、本術式に使用するラジオ波焼灼システム(Cool-tip)の購入と研究協力機関への配付、手術を記録し協力施設相互間で検討することを目的としたハイビジョン画像記録装置の購入と配付、中央モニタリング体制の構築を行った。また、各協力施設においては、厚生労働省への高度医療申請および承認、データセンターへの施設登録および症例登録、手術の実施を行った。
Cool-tip RFA システムは8施設に対して購入・配付、ハイビジョン画像記録装置は7施設に対して購入・配付した。中央モニタリングを東北大学病院臨床試験データセンターに依頼し、平成25年1月4日に体制が整った。試験開始から参加した11施設中、データセンターへの施設登録まで済んだ施設は7施設で、4施設は準備中となっている。また、新たに群馬大学が協力施設となりデータセンターへの施設登録も済んでいる。平成25年1月4日からの症例登録は9例で、6例に対して腹腔鏡補助下肝切除を行った。3例は術中に適応外と判断され除外となった。重篤な合併用は発生しておらず、現在も症例を集積中である。班会議は2回開催し、各協力機関と進捗状況・術式などついて検討した。
中央モニタリングの体制構築に時間を要したため、実際の症例登録・手術の実施が遅れた。しかし、その後の症例登録は順調であり、次年度中には目標症例数(80例)に近づくものと推察される。
(考察)
本研究の目的は、ラジオ波焼灼システムを用いた腹腔鏡補助下肝切術の安全性と有効性を評価することにある。これまで行った6例において重篤な合併症は発生しておらず、今のところ安全性は保たれているが今後の症例の集積が必要である。
安全性と有効性が明らかとなれば、本術式はエビデンスのある低侵襲手術として今後の普及が期待され、多くの肝切除に用いることができる。また、本研究により安全性が最も担保されるべきドナー肝切除への本術式の応用が進むと考えられる。これは、わが国で年間数百例行われている生体肝移植において、健常なドナーにかかる肉体的・精神的負担を大きく軽減出来ることを意味している。本術式の有用性が証明されれば、術後在院日数の短縮から医療経済にも有利であり、患者およびドナーの早期社会復帰が可能になることから、国民の保健・医療・福祉の向上を通じ社会への貢献も非常に大きいものと考えられる。
平成24年度は、本術式に使用するラジオ波焼灼システム(Cool-tip)の購入と研究協力機関への配付、手術を記録し協力施設相互間で検討することを目的としたハイビジョン画像記録装置の購入と配付、中央モニタリング体制の構築を行った。また、各協力施設においては、厚生労働省への高度医療申請および承認、データセンターへの施設登録および症例登録、手術の実施を行った。
Cool-tip RFA システムは8施設に対して購入・配付、ハイビジョン画像記録装置は7施設に対して購入・配付した。中央モニタリングを東北大学病院臨床試験データセンターに依頼し、平成25年1月4日に体制が整った。試験開始から参加した11施設中、データセンターへの施設登録まで済んだ施設は7施設で、4施設は準備中となっている。また、新たに群馬大学が協力施設となりデータセンターへの施設登録も済んでいる。平成25年1月4日からの症例登録は9例で、6例に対して腹腔鏡補助下肝切除を行った。3例は術中に適応外と判断され除外となった。重篤な合併用は発生しておらず、現在も症例を集積中である。班会議は2回開催し、各協力機関と進捗状況・術式などついて検討した。
中央モニタリングの体制構築に時間を要したため、実際の症例登録・手術の実施が遅れた。しかし、その後の症例登録は順調であり、次年度中には目標症例数(80例)に近づくものと推察される。
(考察)
本研究の目的は、ラジオ波焼灼システムを用いた腹腔鏡補助下肝切術の安全性と有効性を評価することにある。これまで行った6例において重篤な合併症は発生しておらず、今のところ安全性は保たれているが今後の症例の集積が必要である。
安全性と有効性が明らかとなれば、本術式はエビデンスのある低侵襲手術として今後の普及が期待され、多くの肝切除に用いることができる。また、本研究により安全性が最も担保されるべきドナー肝切除への本術式の応用が進むと考えられる。これは、わが国で年間数百例行われている生体肝移植において、健常なドナーにかかる肉体的・精神的負担を大きく軽減出来ることを意味している。本術式の有用性が証明されれば、術後在院日数の短縮から医療経済にも有利であり、患者およびドナーの早期社会復帰が可能になることから、国民の保健・医療・福祉の向上を通じ社会への貢献も非常に大きいものと考えられる。
結論
症例の登録がまだ少なく現状では結論は述べられない。しかし、腹腔鏡補助肝切除は安全に施行できており、今後の症例の蓄積にて安全性と有用性を示す事が可能と考える。
公開日・更新日
公開日
2013-09-24
更新日
-