非扁平上皮非小細胞肺癌に対するペメトレキセドを用いた術後補助化学療法

文献情報

文献番号
201215029A
報告書区分
総括
研究課題名
非扁平上皮非小細胞肺癌に対するペメトレキセドを用いた術後補助化学療法
研究課題名(英字)
-
課題番号
H24-臨研推-一般-009
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
坪井 正博(横浜市立大学附属市民総合医療センター 化学療法・緩和ケア部)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 信之(静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科)
  • 瀬戸 貴司(国立病院機構 九州がんセンター 呼吸器科)
  • 杉尾 賢二(国立病院機構 九州がんセンター 呼吸器科)
  • 豊岡 伸一(岡山大学病院, 呼吸器外科)
  • 伊達 洋至(京都大学医学部附属病院 呼吸器外科)
  • 岡本 勇(近畿大学医学部附属病院 腫瘍内科)
  • 伊藤 志門(愛知県がんセンター中央病院 胸部外科)
  • 坂 英雄(独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 臨床腫瘍科呼吸器科)
  • 横井 香平(名古屋大学医学部附属病院 呼吸器外科)
  • 瀧口 裕一(千葉大学医学部附属病院 臨床腫瘍部)
  • 岡本 浩明(横浜市立市民病院,)
  • 山中 竹春(独立行政法人国立がん研究センター東病院)
  • 釼持 広知(静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科)
  • 井上 謙吾(公益財団法人静岡県産業振興財団ファルマバレーセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
45,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
完全切除された非扁平上皮非小細胞肺癌に対する、ペメトレキセド(PEM) +シスプラチン(CDDP) 併用療法の有用性を、標準治療であるビノレルビン(VNR) +シスプラチン併用療法とランダム化比較において評価し、術後補助化学療法における標準治療を確立する。PEMは、進行/再発非扁平上皮非小細胞肺癌に対し有用な薬剤であり、本邦で切除不能な進行・再発非小細胞肺癌に保険承認されている。しかし、非小細胞肺癌の術後補助化学療法の標準的レジメンであるVNR +CDDP併用療法とPEM+CDDP併用療法を比較した第Ⅲ相試験は今までにない。PEMの術後補助療法としての有効性に関するエビデンスはなく、PEMの術後投与は保険適応外である。そこで、高度医療評価制度を利用し医療用医薬品製造販売業公正取引協議会承認のもと、日本イーライリリー(株)よりPEMの薬剤提供を受けて本試験を行う。
研究方法
<研究対象>以下の適格基準を満たす症例を研究対象とする。1) 組織診により確認された非扁平上皮非小細胞肺癌.2) 病理病期Ⅱ期、またはⅢA期 (UICC TNM第7版). 3) EGFR遺伝子変異の結果が判明している. 4) 病理学的に完全切除が確認されている.5) 肺葉切除以上の外科切除が行われている.6) ND2a-1以上のリンパ節郭清、または選択的リンパ節郭清が行われている.7) 肺癌に対して、手術以外の前治療歴がない.8) 年齢は20歳以上、75歳以下である.9) Performance status (ECOG) が0、または1である.10) 術後21日以上、56日以内である.11) 主要臓器機能が保たれている.12) 酸素吸入なしの状態 (室内気) で動脈血液ガス (PaO2) ≧70 Torrまたは経皮酸素飽和度 (SpO2) ≧95%.13) 患者本人から文書による同意が得られている<登録方法>データセンター:特定非営利特定活動法人西日本がん研究機構(WJOGデータセンター)へ委託 症例登録:データセンターでの中央登録方式 適格性の確認後、データセンターへ登録し、治療群の割付を行う 割付調整因子:性別 (男/女)、年齢 (70歳未満/70歳以上)、病理病期 (Ⅱ期/ⅢA期)、EGFR遺伝子変異 (有/不明または無)、施設最小化法を用いる。<治療>手術から4-10週以内に、以下の化学療法を、3週を1コースとして、4コース施行する A群:VNR+CDDP併用療法 VNR(25mg/m2) をday1,8、CDDP(80mg/m2)をday1に投与 B群:PEM+CDDP併用療法 PEM(500mg/m2) をday1、CDDP(80mg/m2)をday1に投与 ただし、プロトコール治療完了後、あるいはプロトコール治療を中止した場合も、再発を認めるまで無治療で観察する。再発後の後治療は特に規定しない。<評価方法>主要エンドポイント:全生存期間 副次エンドポイント:無病生存期間、治療完遂割合、有害事象発生割合 観察期間は治療開始日を起算日として最終プロトコール治療日から4週間後までとし、各コースで2回以上、安全性の評価を行う。 有害事象/有害反応の評価には、「有害事象共通用語規準v4.0日本語訳JCOG版」を用いる。 プロトコール治療開始日より36ヶ月間は3ヶ月に1回、3年以降は6ヶ月に1回の診察を行う。胸部CTによる再発の有無の評価は、プロトコール治療開始日より36ヶ月間は6ヶ月に1回、3年以降は1年に1回行う。
結果と考察
平成23年年9月28日の高度医療評価会議および12月15日の先進医療専門家会議で、ペメトレキセドの術後補助療法としての使用に関して「適」と評価され、高度医療評価制度下での本研究の実施が可能になった。その後、平成23年12月27日に、PMDAと本研究の内容ならびに研究結果に基づく公知申請に関して面談を実施した。平成24年3月から登録を開始した。現在症例集積を継続しており、研究結果は得られていない。本研究事業の初年度である平成24年度は症例集積の継続とプロトコール治療の実施を行った。年度当初は高度医療制度下の協力施設として承認された施設が少なかったことから、症例集積ペースが上がらなかった。その後、参加予定施設が協力施設として承認されて、平成25年3月末には38施設から登録可能になり、その時点で計123例の症例集積が得られた。マンスリーレポートを毎月配信して、参加施設への登録周知徹底を図っている。なお、現時点では、プロトコール治療に関連する重度有害事象あるいは予期しない有害事象は認められていない。
結論
本事業による採択を受け、平成24年3月より症例登録を開始した。平成25年3月末の時点で123例の登録があり、症例集積を継続している。研究結果は得られていない。

公開日・更新日

公開日
2015-06-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201215029Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
54,000,000円
(2)補助金確定額
54,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,128,601円
人件費・謝金 2,837,750円
旅費 3,668,270円
その他 32,365,379円
間接経費 9,000,000円
合計 54,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-06-16
更新日
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