文献情報
文献番号
201215011A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性固形がん(悪性胸膜中皮腫、前立腺がん)に対する次世代自己がんワクチン化療法としてのREIC/Dkk-3遺伝子治療臨床研究
課題番号
H23-臨研推-一般-001
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
那須 保友(岡山大学 岡山大学病院)
研究分担者(所属機関)
- 公文 裕巳(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科)
- 渡部 昌実(岡山大学 岡山大学病院)
- 賀来 春紀(岡山大学 岡山大学病院)
- 江原 伸(岡山大学 岡山大学病院)
- 佐々木 克己(岡山大学 岡山大学病院)
- 谷本 竜太(岡山大学 岡山大学病院)
- 豊岡 伸一(岡山大学 岡山大学病院)
- 宗 淳一(岡山大学 岡山大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
【前立腺がん】REIC/Dkk-3遺伝子治療臨床研究を実施する。安全性の検討(最大耐量の推定)を主要エンドポイントとし、治療効果の観察を副次的エンドポイントとする。【胸膜悪性中皮腫】臨床研究の実施承認に向けた種々の作業をおこない、平成24年度内の承認を目指す。また、CAGプロモーターのAd-REIC製剤と、今後使用が予定されるCMVプロモーターのAd-REIC製剤との比較試験を行う。
研究方法
【前立腺がん】A群:内分泌療法抵抗性再燃前立腺がん B群:ハイリスク初発限局性前立腺がんを対象とし、投与量のレベルを3段階に設定し、各群12名の治療を実施する。血液生化学的検査・生理検査にて安全性を確認し、血液腫瘍マーカー(PSA)および前立腺組織を用いた免疫組織学的、分子生物学的解析にて有効性を評価する。(倫理面への配慮)「遺伝子治療臨床研究に関する指針」「臨床研究に関する倫理指針」を遵守する。【胸膜悪性中皮腫】国への申請に向けた種々の準備を行う。((倫理面への配慮)「遺伝子治療臨床研究に関する指針」「臨床研究に関する倫理指針」を遵守する。
結果と考察
前立腺がん:当該臨床研究は平成24年度においてA群はdose level 3まで(6例)投与終了し、B群は予定通りの治療(12例)を実施・終了し安全性と有効性を確認した。ただ、高用量ベクター(1×1012vpおよび3×1012vp)投与群で、発熱(Grade-1からGrade-2)が観察されており、今後、本研究を進行するにあたり、注意が必要と考えられた。
解析計画を前倒しして実施しPOCはおおむね確認できた。しかし、Primary endpointであるMaximum tolerable dose (MTD)に達していないと考えられたため、投与量を増加して症例追加(6例)するという変更を行った。25年度においては治療を終了しPOC確立に向けた解析も完遂するとともに、先進医療申請の準備も完遂する予定である。
悪性胸膜中皮腫については、24年度は当初の予定になかったプロトコールの変更(ベクターのプロモーター変更とベクター製造先の変更)の必要性が生じた。CAGプロモーターのAd-REIC製剤と、実際に使用が予定されているCMVプロモーターのAd-REIC製剤との有効性および安全性に関する比較解析により、両者が同等であることが確認され、CMVプロモーターのAd-REIC製剤を用いた臨床研究の実施を予定している。その学内手続き等のために時間を要し国での審査前の状況にとどまった(。25年度は国の審査を終え標準的治療薬無効の患者もしくは根治手術の適応のない患者を対象として臨床研究を迅速に実施する。当該年度中には症例の登録を済ませ(15例の予定)、先行する前立腺がんにおける解析結果を反映しつつ治療の実施と解析を実施する。
解析計画を前倒しして実施しPOCはおおむね確認できた。しかし、Primary endpointであるMaximum tolerable dose (MTD)に達していないと考えられたため、投与量を増加して症例追加(6例)するという変更を行った。25年度においては治療を終了しPOC確立に向けた解析も完遂するとともに、先進医療申請の準備も完遂する予定である。
悪性胸膜中皮腫については、24年度は当初の予定になかったプロトコールの変更(ベクターのプロモーター変更とベクター製造先の変更)の必要性が生じた。CAGプロモーターのAd-REIC製剤と、実際に使用が予定されているCMVプロモーターのAd-REIC製剤との有効性および安全性に関する比較解析により、両者が同等であることが確認され、CMVプロモーターのAd-REIC製剤を用いた臨床研究の実施を予定している。その学内手続き等のために時間を要し国での審査前の状況にとどまった(。25年度は国の審査を終え標準的治療薬無効の患者もしくは根治手術の適応のない患者を対象として臨床研究を迅速に実施する。当該年度中には症例の登録を済ませ(15例の予定)、先行する前立腺がんにおける解析結果を反映しつつ治療の実施と解析を実施する。
結論
【前立腺がん】A群およびB群で、平成24年度までに計20症例において治療が実施をされ、安全性、臨床的有効性は確認された。最終年度である平成25年度においては治療を終了しPOC確立に向けた解析も完遂するとともに、先進医療申請の準備も完遂する予定である。【胸膜悪性中皮腫】当初計画より遅れているが臨床研究の実施承認に向けた作業を着実に進行させている。最終年度である平成25年度中には症例の登録を済ませ(15例の予定)、先行する前立腺がんにおける解析結果を反映しつつ治療の実施と解析を実施する。
公開日・更新日
公開日
2013-08-27
更新日
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