大学の連携による職種・レベル別に対応した臨床研究・治験のe-learningシステムを展開する研究

文献情報

文献番号
201214007A
報告書区分
総括
研究課題名
大学の連携による職種・レベル別に対応した臨床研究・治験のe-learningシステムを展開する研究
課題番号
H24-臨研基-一般-002
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
小出 大介(東京大学医学部附属病院 臨床疫学研究システム)
研究分担者(所属機関)
  • 木内 貴弘(東京大学医学部附属病院 UMINセンター)
  • 興梠 貴英(東京大学医学部附属病院 健康医科学創造)
  • 小室 美子(東京大学医学部附属病院 トランスレーショナルリサーチセンター)
  • 原田 賢治(東京大学医学部附属病院 医療安全管理学)
  • 苅尾 七臣(自治医科大学 内科学講座)
  • 浜本 敏郎(自治医科大学 情報センター)
  • 吉尾 卓(自治医科大学 内科学講座)
  • 星出 聡(自治医科大学 内科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
既存の臨床研究・治験のe-learningは、使い難さや少数の受講者、内容の偏りなど改善の余地がある。そこで「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」に基づき、大学と地域病院が連携して、基幹病院だけでなく地域医療の現場でも臨床研究を推進するための新しいe-learningのシステムを構築することを目的としている。
研究方法
初年度は改良に向けた資料収集など準備や整理を行う。方針としてはコンテンツとインフラに大別される。まずコンテンツに関しては、生活習慣病領域の拡充を目指し、最近の臨床試験から代表的なものを選定し知見を抽出する。また薬事など規制領域については、本研究の土台となる既存のe-learningシステム(NPO日本臨床研究支援ユニット(J-CRSU)作成)におけるコンテンツについて、問題点・不足点を抽出し、その他のe-learningシステムも確認の上、取り入れるべき特色について調査する。そしてインフラとして、UMINのシングルサインオン(SSO)サービスに接続可能かシステム調査する。また職種の連携属性情報の制御についても変換を含む設計処理や取得について調査する。さらに研究担当大学間で共通のシステムと教材を導入することを実施し、また他分野において評価に使用されている方法について調査・検討も実施する。そして職種別・レベル別に対応した臨床研究・治験のe-learningのカリキュラム作成のために、必修と任意の振り分け、基準の設定などを検討する。これは既存のJ-CRSUのe-learningをベースに実施する。
結果と考察
コンテンツに関して、生活習慣病領域は小さな効果を持った因子が多数寄与していることに留意し、さらに医療経済的視点も重要と思われた。薬事に関しては既存のe-learningシステムを精査したところ、先進医療の内容を含める必要があると考えられた。一方インフラに関して、SSOはシステムとして大幅な改善を施すことなく導入可能と考えられた。また受講者の属性として職種など制御も対応可能と考えられた。さらに大学間で共通のシステムと教材を導入でき、アンケート法など評価についても既存の方法を応用しつつ改良していくことが考えられた。そして職種別・レベル別に対応したカリキュラムについては、必須・任意など設定した。また医療系大学および大学病院を対象に臨床研究・治験のカリキュラムに関する調査票を作成し、教育の現状とe-learningシステムのニーズを探ることとした。そしてデバイスを調査した結果、Windows PCが約75%で大部分はカバーできると考えられたが、さらにタブレット対応なども考慮した方が学習機会の拡大に役立つと考えられた。最後にグローバル化対応については、オープンソースのシステムを採用しつつ、標準的な形式のシステムを目指すこと、そして日本ではまだあまり進んでいない登録研究や大規模DBを活用した臨床研究に関する教育、さらに被験者が5000人以上となる大規模国際共同研究の実際の運営のeラーニングのコンテンツなど追加できた。
結論
大学と地域病院が連携して、基幹病院だけでなく地域医療の現場でも臨床研究を推進するための新しいe-learningのシステムの構築を目的として本研究を実施した。
 コンテンツの生活習慣病領域については小さな多数の因子に留意し、さらに医療経済的視点も重要と示唆された。薬事は先進医療に関する内容を含める必要があると考えられた。インフラに関してSSOは大幅な改善を施すことなく導入可能と考えられた。また受講者の属性として職種など制御も対応可能と考えられた。さらに大学間で共通のシステムと教材を導入でき、アンケート法など評価についても既存の方法を応用しつつ改良していくことが考えられた。そして職種別・レベル別に対応したカリキュラムについては、必須・任意など設定した。また医療系大学および大学病院を対象に調査票を作成し、教育の現状とe-learningシステムのニーズを探ることとした。そしてユーザー候補においてWindows PCが約75%で、大部分はカバーできるが、さらにタブレット対応なども考慮した方が学習機会の拡大に役立つと考えられた。グローバル化対応では、オープンソースを採用しつつ、標準的システムを目指すこと、そして登録研究や大規模DBを活用した臨床研究の教育、さらに大規模国際共同研究の運営に関するe-learningのコンテンツなど拡充できた。

公開日・更新日

公開日
2013-08-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201214007Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
28,378,992円
(2)補助金確定額
28,378,992円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,356,952円
人件費・謝金 4,065,027円
旅費 3,221,961円
その他 12,188,052円
間接経費 6,547,000円
合計 28,378,992円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2017-07-06
更新日
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