e-learningシステムICRwebを用いた臨床研究・治験に携わる人材の育成方法に関する研究

文献情報

文献番号
201214006A
報告書区分
総括
研究課題名
e-learningシステムICRwebを用いた臨床研究・治験に携わる人材の育成方法に関する研究
課題番号
H24-臨研基-一般-001
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報提供研究部 医療情報評価研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 藤原 康弘(国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科)
  • 福田 治彦(国立がん研究センター多施設臨床試験支援センター)
  • 柴田 大朗(国立がん研究センター多施設臨床試験支援センター)
  • 山下 紀子(国立がん研究センター学際的研究支援室)
  • 山中 竹春(国立がん研究センター東病院臨床開発センター)
  • 溝田 友里(国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供研究部)
  • 山上 須賀(国立がん研究センター学際的研究支援室)
  • 小林 典子(国立がん研究センター中央病院臨床試験支援室)
  • 多田 三千代(国立がん研究センター中央病院臨床試験支援室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、これまでに我々が構築・運営してきたe-learningシステムICRwebの問題点を抽出し、改良することにより、臨床研究・治験に関わる医師や、臨床研究コーディネーター、データマネージャー、プロジェクトマネージャー、生物統計家、事務職員等の支援スタッフ、倫理審査/治験審査委員会(以下、IRB)委員等を対象とした、より使い勝手のよい、効果的なe-learningシステムの構築と提供を研究の目的とする。
研究方法
現在のコンテンツを対象者の職種やトピック毎に再構成し、履修のインセンティブが上がる提供方法を研究・実装する。さらなる講義内容の充実を図り、モバイルアプリなど、より履修しやすい提供方法を研究する。また、既存の臨床研究e-learningシステムの内容を比較検討し、今後求められるe-learningシステムのあり方(システムの統合や専門領域ごとの必要性等)についても調査研究を行い、e-learningシステム同士の相互連携・役割分担を通して利用者の利便性向上を図る。
結果と考察
① e-learningシステムICRwebの再構築と周知
これまでに配信してきたすべての教育コンテンツを対象者の職種やトピック別に再構成することによって、より多くの対象者により効率よく利用してもらえるよう、サイトの完全リニューアルを行った。具体的には①これまでのコンテンツのうち、必ずしも十分に利用されてこなかった、より進んだ内容について、トピック別にモジュール化して受けやすくし、履修のインセンティブが上がるようモジュール毎に修了証を提供する、②当サイトのことを知らなくても、臨床研究について学習したい者が容易に当サイトに到達できるよう、インターネットの検索エンジンの上位に来るようサイトの構成を改良する(SEO対策)、などである。リニューアル後には、当初の計画通りのリニューアルができているか調べるために、サイトのアクセス解析、キーワード解析などを行い、「臨床研究」というキーワードで検索エンジンの上位に来るなどある程度予定通りの改善がされていることを確認した。このリニューアルを機会として、厚生労働省の臨床研究倫理審査委員会報告システムに登録されている倫理審査委員会を持つすべての施設に対し、サイトの周知を行った。結果として、目標としていた年間3,000人を上回る5,389人の新規登録者を達成することができた。
② 教育コンテンツのさらなる充実
教育コンテンツとして、これまでに臨床研究・治験のプロトコール作成、実施、評価方法や、被験者への支援、研究倫理、IRBの審査・運営方法等を網羅した教育コンテンツを配信してきたが、これらをさらに充実させるために、目標としていた10本を上回る12本の新規コンテンツの配信を行った。コンテンツの配信に加え、研究者、CRCなどの支援者、臨床研究機関のIRB事務局や教育担当者に対しての直接支援としてセミナーを行うことを当初より計画し、年間5回以上実施した。
③ e-learningシステムのあり方の検討
本研究事業のもう一つの採択課題である「大学の連携による職種・レベル別に対応した臨床研究・治験のe-learningシステムを展開する研究(研究代表者:小出大介)」班および厚生労働省と協力し、他の臨床研究教育e-learningサイトに対する調査を行った。本研究班の担当として、厚生労働省臨床研究倫理審査委員会報告システムに登録されている1,299の倫理審査委員会の担当する施設に対する郵送調査を行い、臨床研究教育の提供方法、教育内容、義務化の対象者、教育確認の有無、外部e-learningの利用状況などについて尋ねた。調査結果をもとに、既存のe-learning運営者と連絡をとり、今後求められるe-learningシステムのあり方(システムの統合や専門領域ごとの必要性等)を検討し、必要に応じて相互利用の可能性を検討する予定である。
結論
ICRwebは、2013年3月までに、21,000人以上の登録者を得ることができた。今年度の調査でまだまだ認知度が十分でなく、より多くの施設に使っていただける可能性があることもわかったため、調査結果返却に合わせ、サイトの利用方法を含めた紹介を再度行う予定である。
また、平成25年度に計画されている、臨床研究に関する倫理指針、疫学研究に関する倫理指針の改訂に合わせ、サイトの内容もそれに沿った形にし、研究者のみならず、研究支援者、倫理審査委員会委員、一般の方など、利用者の利便性を図っていきたい。

公開日・更新日

公開日
2013-09-24
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201214006Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
32,500,000円
(2)補助金確定額
32,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,212,462円
人件費・謝金 3,267,143円
旅費 5,773,922円
その他 12,746,473円
間接経費 7,500,000円
合計 32,500,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-06-16
更新日
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