文献情報
文献番号
201212012A
報告書区分
総括
研究課題名
深部機能画像診断のための光音響画像化技術の有用性検証
課題番号
H23-医療機器-一般-005
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
石原 美弥(防衛医科大学校 医用工学講座)
研究分担者(所属機関)
- 大谷 直樹(防衛医科大学校 脳神経外科学講座)
- 堀口 明男(防衛医科大学校 泌尿器科学講座)
- 平沢 壮(防衛医科大学校 医用工学講座)
- 藤田 真敬(防衛医科大学校 防衛医学研究センター)
- 池脇 克則(防衛医科大学校 内科学講座)
- 津田 均(国立がん研究センター 中央病院)
- 辻田 和宏(富士フイルム株式会社 R&D統括本部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(医療機器[ナノテクノロジー等]総合推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は新しい画像診断法として着目され世界的に盛んに研究されている「造影剤を使用することなく主要血管から微細な血管網まで非侵襲的に3次元画像を提示できる」光音響画像診断技術をどこよりも先駆けて実用化することを目的としている。この目的達成のために、研究開発の要素技術開発に相当する基礎検討、臨床各科における医師主体の臨床研究各フェーズにおいて、それぞれ問題点と有用点を明確にしてそれを班員内で共有することで、横断的研究の推進を図った。さらに、3年計画の1年目に実施した(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)の薬事戦略相談の指摘事項を活用することで日本発シーズの実用化に向けて治験への準備として、3年計画の2年目として症例数の積み重ねに加えて構築したプロト機の性能検証についても検討することとした。さらなる症例数の積み重ねにより光音響画像の有用性が検証される見込みである。
研究方法
光音響画像診断技術は、レーザー光を照射して生体内の光吸収体(血管網の画像取得にはヘモグロビンを光吸収体とする)で発生した超音波を検出して画像化する、まさに光技術と超音波技術を融合した非侵襲かつ簡便な診断技術であるため光超音波技術とも言われている。本研究では超音波画像技術をベースにした装置開発を目指しているため、光音響画像と超音波画像を重畳した画像をリアルタイムで提示可能である。医工産医の連携を強化する本研究では、地の利を活かした研究開発体制を構築した。この研究体制のもと、班会議の開催、Eメール会議、実験計画の策定、実験後のディスカッションなど、人的交流を図り、情報共有により効率的に研究を実施した。
加えて、本研究では身近で手軽な画像診断技術として広範に普及している超音波画像技術をベースにした技術開発を特色とすることで、医療現場が受け入れやすい簡便なシステムとしてプロト機を構築する。3年計画の1年目で実施したPMDAによる薬事戦略相談の指摘事項を勘案して研究計画を立案し、「造影剤を使用することなく主要血管から微細な血管網まで非侵襲的に3次元画像化できるプロト機の構築」、「医師主体的に実施する複数の臨床研究の推進」、さらに「機能画像としての有効性を検証するための基礎的検討」の3本柱で研究を進めた。
加えて、本研究では身近で手軽な画像診断技術として広範に普及している超音波画像技術をベースにした技術開発を特色とすることで、医療現場が受け入れやすい簡便なシステムとしてプロト機を構築する。3年計画の1年目で実施したPMDAによる薬事戦略相談の指摘事項を勘案して研究計画を立案し、「造影剤を使用することなく主要血管から微細な血管網まで非侵襲的に3次元画像化できるプロト機の構築」、「医師主体的に実施する複数の臨床研究の推進」、さらに「機能画像としての有効性を検証するための基礎的検討」の3本柱で研究を進めた。
結果と考察
3年計画の2年目としてH24年度に実施した具体的研究内容は以下の項目の通りである。
・臨床研究に使用可能な、光音響画像化システムプロト機の構築とその性能検証
・光音響画像化システムの泌尿器科応用について
・脈管疾患における光音響技術の有用性の検証
・光音響画像の脳外科応用に関する基礎~臨床検討
・腫瘍モデルマウスを用いた光音響画像の有用性検証
・光音響技術を用いた血液酸素飽和度計測のためのマルチスペクトル化の有用性検証
以上の検討の結果、光音響画像が活かせる臨床の場は、外来・検査の場面だけでなく、術前・術中・術後と幅広い、すなわち、オペ場やベッドサイドでの活用の可能性があることが分かった。これは、ライフイノベーションにおいて求められるイメージング技術の特徴を活かした光音響画像ならではの成果である。加えて、超音波画像技術をベースにした装置開発を目指しているため、光音響画像と超音波画像を重畳した画像をリアルタイムで提示可能、さらに身近で手軽な画像診断技術として既に普及している超音波画像診断の利点をそのまま利用できて、医療現場が受け入れやすい。
・臨床研究に使用可能な、光音響画像化システムプロト機の構築とその性能検証
・光音響画像化システムの泌尿器科応用について
・脈管疾患における光音響技術の有用性の検証
・光音響画像の脳外科応用に関する基礎~臨床検討
・腫瘍モデルマウスを用いた光音響画像の有用性検証
・光音響技術を用いた血液酸素飽和度計測のためのマルチスペクトル化の有用性検証
以上の検討の結果、光音響画像が活かせる臨床の場は、外来・検査の場面だけでなく、術前・術中・術後と幅広い、すなわち、オペ場やベッドサイドでの活用の可能性があることが分かった。これは、ライフイノベーションにおいて求められるイメージング技術の特徴を活かした光音響画像ならではの成果である。加えて、超音波画像技術をベースにした装置開発を目指しているため、光音響画像と超音波画像を重畳した画像をリアルタイムで提示可能、さらに身近で手軽な画像診断技術として既に普及している超音波画像診断の利点をそのまま利用できて、医療現場が受け入れやすい。
結論
3年計画の2年目までの研究として、プロト機を構築し複数の臨床科での臨床研究を検査室、オペ場にて実施している。いずれも、高齢社会において非侵襲かつ簡便かつリアルタイムイメージが求められる疾患診断への応用である。最終的に治験の準備段階の前で最終的に対象疾患を絞り込む必要があると考える。さらに、H23年度に実施した薬事戦略相談は、H23年度予算で新規施策となった「医薬品・医療機器薬事戦略相談推進事業」であり、本研究課題の推進は日本発の新たな医療機器の登場を具現化する。産業創出面では、レーザー、超音波など国内産業が競争力を持ちうる分野であるので、業界が長年培ってきた我が国優位の技術が活用され、医理工連携・産学連携のモデルケースになると考える。
公開日・更新日
公開日
2013-09-03
更新日
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