生分解性マイクロニードルを応用した画期的「貼るワクチン製剤」の開発と実用化に資する研究の総合的推進

文献情報

文献番号
201208021A
報告書区分
総括
研究課題名
生分解性マイクロニードルを応用した画期的「貼るワクチン製剤」の開発と実用化に資する研究の総合的推進
課題番号
H23-創薬総合-一般-004
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
岡田 直貴(国立大学法人大阪大学 大学院薬学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小豆澤 宏明(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
独自に開発した生分解性マイクロニードル (MicroHyala; MH) を基材とするインフルエンザ経皮ワクチン製剤の開発に向けた基礎情報収集と基盤技術熟成を図る。また、ヒトにおける本製剤の安全性と有効性を検証する臨床研究を実施することによって、経皮ワクチン製剤の治験・製品化研究への移行期間の短縮に焦点を当てる。さらに、Toll様受容体リガンド (TLR-L) を中心に経皮ワクチン製剤用のアジュバントとして有望な候補物質の探索を推進し、抗原特異的IgG抗体産生(体液性免疫応答)の誘導のみならず細胞性免疫応答および粘膜免疫応答の活性化をも達成できる未来型インフルエンザ経皮ワクチン製剤の創出に取り組む。
研究方法
1. 各種MH試作品の物理化学的特性および皮膚刺入特性を評価した。
2. 抗原を装填したMHのアレルギー誘発試験を実施した。
3. インフルエンザHA抗原を装填したMHのヒトにおける安全性・有効性を臨床研究により検証した。
4. ODN1826およびMPLAの経皮アジュバント効果と安全性を評価した。
結果と考察
1. 新たに作製したMH300およびMH500の皮膚内物質送達特性を明らかにした。また、インフルエンザHA抗原を装填したMH800製剤の長期安定性を確認した。
2. MH経皮投与が抗原特異的IgEの産生およびそれに伴うアレルギー反応を引き起こしにくいワクチン接種法であることを示した。
3. MH800を用いたインフルエンザ経皮ワクチン製剤がヒト皮膚に安全に適用できることを実証し、ヒトにおいて従来の注射型ワクチンと同等のワクチン効果が得られることを明らかにした。
4. ODN1826およびMPLAの経皮免疫応答に対する増強特性を示し、これらアジュバント候補物質の経皮投与が重篤な皮膚局所反応を伴わないことを明らかにした。
結論
1. 臨床研究や将来的な製品開発を見据えたMHの最適化につながる基礎情報を収集できた。
2. 抗原装填MHによるアレルギー誘発性は従来の注射投与と同等に低かった。
3. インフルエンザ経皮ワクチン製剤がヒトにおいても安全かつ有効であることを示した。
4. ODN1826およびMPLAは安全に使用できる経皮アジュバントとして有望である。

公開日・更新日

公開日
2013-07-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201208021Z