肥満関連疾患のアジアと米国における遺伝疫学的検討とその対策に関する研究

文献情報

文献番号
201204005A
報告書区分
総括
研究課題名
肥満関連疾患のアジアと米国における遺伝疫学的検討とその対策に関する研究
課題番号
H24-国医-指定-005
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
武城 英明(千葉大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 稲垣 暢也(京都大学 大学院医学系研究科)
  • 梶尾 裕(独立行政法人国立国際医療研究センター)
  • 河野 幹彦(自治医科大学 附属さいたま医療センター)
  • 山下 静也(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 山本 茂(十文字学園女子大学 大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(国際医学協力研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
9,569,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究事業は東南アジア諸国における栄養代謝に関わる調査研究を目的に着手された。今年度の目的は、第一にすでに本研究計画で着手され継続的に発展してきた主軸研究である、東南アジアに顕著化している肥満関連疾患の問題点を明らかにする横断研究Vietnam studyについて、現在までに得られた検体の解析結果を解析検討する。さらに、前向き介入研究プログラム、ベトナム及び東南アジア諸国における栄養調査、糖尿病と動脈硬化症の簡易的マーカーの探索等に着手することで包括的に東南アジアの栄養問題への対策を提言する。
研究方法
1)ベトナムにおける栄養関連疾患の地域特異性と遺伝的背景の解析(Vietnam study)。2)東南アジア諸国と日本における栄養調査 3)ベトナム学校単位での栄養に関する教育による肥満の有病率や発生率への影響、生活習慣介入の食事コントロールや身体活動への影響、肥満や過体重に対する知識や対策の検討に関わる前向き調査 4) 疫学調査における簡易的栄養障害スクリーニングマーカーの樹立。
結果と考察
ベトナム都市部と非都市部における地域差の際立つ状態が明確になった。くわえて、今回の解析から多くのベトナム人でインスリン分泌が低下している可能性が示唆された。メタボリックシンドローム構成要素が地域により大きく異なっていることが明らかとなり、生活習慣病予防には地域に適応した介入が必要と考えられる。日本の子供達の糖類摂取量はFAO/WHOの推奨値の範囲内にあるものの、各種の糖類が使われており、それらが健康に及ぼす影響も異なるので今後、各種糖類と健康に関する研究が必要である。発展途上国での肥満や生活習慣病の若年者対策モデルとして、ベトナム国ハノイ市で中学生を対象に学校単位での介入プログラムを開発することを目的にプログラム検討を行った。簡易的栄養障害スクリーニングマーカーとして、インスリン分泌不全にともなう耐糖能異常と肥満にともなう動脈硬化性疾患の簡便で正確なマーカー樹立に着手した。
結論
Vietnam study解析から各地域における過栄養と低栄養の混在した状態が明らかになった。栄養学的ライフスタイルへの介入プログラム研究、さらにそれらを客観的に評価する代謝学的、動脈硬化スクリーニング指標を導入することで、東南アジアの栄養問題への対策を提言していく。

公開日・更新日

公開日
2015-06-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201204005C

収支報告書

文献番号
201204005Z