東アジアにおける生活習慣病予防モデルの開発-ベトナムにおける予防介入支援-

文献情報

文献番号
201203009A
報告書区分
総括
研究課題名
東アジアにおける生活習慣病予防モデルの開発-ベトナムにおける予防介入支援-
課題番号
H23-地球規模-若手-002
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
松下 由実(独立行政法人国立国際医療研究センター 臨床研究支援部)
研究分担者(所属機関)
  • 梶尾 裕(独立行政法人国立国際医療研究センター 糖尿病・代謝症候群  診療部)
  • 岸本美也子(独立行政法人国立国際医療研究センター 糖尿病・代謝症候群  診療部)
  • 三好 知明(独立行政法人国立国際医療研究センター 国際医療協力部)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 中川 徹(株式会社日立製作所 日立健康管理センタ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
4,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 近年、糖尿病のような生活習慣に関連する疾患が、経済的発展による生活習慣の劇的な変容にともない、先進国のみならず発展途上国においても社会的重要課題の一つとなってきている。これらの国々では健診システムが整備されておらず、生活習慣病が悪化している状態の人のほとんどは無自覚で放置されている。早期に確実に生活習慣病を診断し、進展を防ぐシステムを構築し、効果を検証することが急務である。
 日本発の保健指導システムを発展途上国へ導入し、WHO 西太平洋事務局と協力しながら地域行動計画の全国レベルの普及とネットワーク構築について検討を行い、アジア全土の生活習慣病対策の仕組みを構築し、普及することを目的とし、本研究を行う。
研究方法
 初年度は、ベトナム国の保健省、省保健局、医療従事者と協力して健診を行う地域を確定し、地域の実情に合った地域健診システムを構築し、住民を指導する担当者の育成プログラムを作成する。次年度は、選定した地域の健診を開始し、健診結果に基づく特定保健指導として日本人用に開発した認知行動療法に基づく減量プログラムをベトナム版に改訂し、介入指導を行い、6か月間の効果を検証する。3年目は、健診と保健指導の効果を検証した結果をもとにWHO、ベトナム保健省とともに生活習慣病対策についての検討を行い、アジアへ情報を発信する。ベトナムにおける地域行動計画の全国レベルの普及とネットワーク構築について検討を行い、生活習慣病対策の仕組みを構築する。この仕組みを各国用にアレンジすることにより、発展途上国の他の国でも使用可能なシステムを確立する。
結果と考察
 アジアにおけるメタボリックシンドロームのリスク重積検出のウエストカットオフ値の性・年齢・民族別検討を行ったところ、同じアジア人であっても、肥満とメタボリックシンドロームの関係は性、年齢、民族により異なることが明らかとなった。生活習慣病対策を行っていくにあたり、その点も考慮し、ベトナムの現状に即したプログラムの作成が必要であることがわかった。
 インターネットを用いた減量プログラム(ベトナム版)を完成させ、現地での試行を行い、問題点を探り、その問題点をクリアできた。次年度はこれを用いて介入研究を行う。
結論
 生活習慣病対策のプログラムを作成する際、性・民族差だけではなく、年齢についても考慮していかなければならない。日本発の特定健診・特定保健指導を基にした生活習慣病対策が根付き、アジアの健康作りに貢献することができると考えている。

公開日・更新日

公開日
2013-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201203009Z