医療における情報活用を行う上での適切な国際疾病分類に関する研究

文献情報

文献番号
201201021A
報告書区分
総括
研究課題名
医療における情報活用を行う上での適切な国際疾病分類に関する研究
課題番号
H23-政策-一般-008
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 健康政策医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 菅野 健太郎(自治医科大学 消化器内科)
  • 落合 和徳(東京慈恵会医科大学付属病院 産婦人科)
  • 中谷 純(東北大学  東北メディカルメガバンク機構)
  • 小川 俊夫(公立大学法人奈良県立医科大学 健康政策医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
9,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ICDは、わが国において死亡統計のみならず患者調査、医療保険制度(DPC等)、診療情報管理等、広く医療情報全般において活用されている。今般WHOにおいて、ICD-10からICD-11への改訂が行われることとなり、わが国は議長国として内科分野の専門部会(TAG)を組織する重要な立場となった。ICD改訂に伴い、わが国の医療の実態を踏まえたより適切な医療情報を将来的に確保するために内科分野の議論をリードする必要があり、関係者間での意見集約や改善案の構築を行う必要がある。
本研究はICDの改訂によるわが国への影響が医療全般に関わることを念頭におき、医療における情報活用を行う上での適切な疾病分類をとりまとめることを目的とする。また、ICD-11がわが国にとってより適切なものとなるよう、わが国としてWHOの検討の場で行うべき対応に資する基礎資料を作成することも目的としている。
研究方法
本研究は、i) 問題点の抽出、ii) 課題の整理、iii) 改善案の提示、iv) WHOの動向把握という4サイクルにより実施する。本研究の実施にあたり内科及び腫瘍TAG検討会を組織し、国内の各関連学会から意見を収集してICD改訂上の問題点や課題を集約し、改善案を検討する。特に、ICDの各項目の領域間の重複・欠損領域の抽出や、ICDにオントロジーの概念を盛り込むための方策についての解決は未だなされておらず、これらの問題点や課題の取りまとめと解決策の提言も実施すると同時に、ICD-11としてあるべき構造について、行政関係者、医療関係者、分類学の専門家などから意見を抽出・整理し、ICD-11の構造変更の完成に向けた調整を実施する。また、ICD改訂作業におけるWHOの動向についても把握する。
結果と考察
本研究において、昨年度と同様に国内内科TAG検討会、国内腫瘍TAG検討会を組織して、ICDの構造に関する意見の集約を実施した。特に内科分野のICD-11の構造に関しては、国内内科TAG検討会メンバーが中心となって構造変更の素案を作成・改良を行いWHO内科TAGの各作業部会に提案するなど、内科領域におけるICD改訂作業の中心的役割を担った。これにより、内科領域の改訂作業は大きく進展することとなり、ICD改訂作業全体の進捗に大きく寄与したと考えられる。また、各種国際会議に参加してWHOのICD改訂作業の動向などを把握し、その情報の共有を実現したほか、WHOや世界各国の専門家が参加するIM-TAG対面会議やWHO-FIC年次会議などICD改訂関連の国際会議に出席して本研究班の成果を対外発信した。これらの国際的な活動により、ICD改訂におけるわが国のプレゼンス向上に寄与したと考えられる。
結論
ICD改訂作業において、本研究班は内科および腫瘍TAG検討会においてわが国の関係者間での意見集約を実施した上で、内科領域の構造変更の完成に大きく寄与したと考えられる。また、ICD改訂に関わる情報収集と発信、さらに改訂作業の進捗管理支援を行ってきたことにより、本研究班はICD改訂作業全般に大きく貢献したと考えられる。さらに、本研究の成果を積極的に対外発信したことなどにより、ICD改訂作業における日本のプレゼンス向上に関しても概ね目標を達成できたといえる。こうした成果より、特に疾病に関する医療における情報の質の向上を実現し、厚生統計、医療保険制度、EBMに基づく各種施策等の質の向上が図られ、最終的には、医療の質の向上に貢献する研究であるといえる。

公開日・更新日

公開日
2013-10-15
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201201021Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,500,000円
(2)補助金確定額
9,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 245,112円
人件費・謝金 4,209,146円
旅費 1,932,287円
その他 3,113,455円
間接経費 0円
合計 9,500,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2014-05-19
更新日
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