特発性大腿骨頭壊死症の病因遺伝子解析と予防法開発への応用

文献情報

文献番号
201135011A
報告書区分
総括
研究課題名
特発性大腿骨頭壊死症の病因遺伝子解析と予防法開発への応用
課題番号
H23-実用化(難病)・一般-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岩本 幸英(九州大学 大学院医学研究院整形外科)
研究分担者(所属機関)
  • 池川 志郎(理化学研究所ゲノム医科学研究センター・医科遺伝学)
  • 多田 芳史(佐賀大学医学部内科学講座・膠原病、リウマチ内科)
  • 山本 卓明(九州大学大学院医学研究院・整形外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(難病関係研究分野)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
76,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特発性大腿骨頭壊死症の予防法の開発の為に、ゲノム解析、動物モデル解析、臨床試験を統合して研究する。拠点研究班と緊密な連携を行い、特発性大腿骨頭壊死症患者の全ゲノムを解析し、原因遺伝子を同定し、それを出発点に分子レベルで特発性大腿骨頭壊死症の病態を解明する。更に、遺伝学的要因と疫学的情報、生化学的情報とを統合することにより、環境要因と宿主要因を多面的に解析すると共に、臨床試験を並行して進め、画期的な予防法を開発する。
研究方法
1)特発性大腿骨頭壊死症と鑑別困難な骨系統疾患(骨化障害を含む)の exome sequence
2)狭義の特発性(非ステロイド性、非アルコール性)大腿骨頭壊死症の全ゲノムシーケンス解析
3)ステロイド性大腿骨頭壊死症の感受性遺伝子の同定のためのre-sequence。相関解析で決定した領域のexome sequence
4)狭義の特発性、ステロイド性、アルコール性の全てを含めた大腿骨頭壊死症のゲノム解析
5)真の骨壊死患者の絞りこみのための、正確な診断基準の確立
6)遺伝子情報と疫学情報の統合によるリスク予測モデルの開発と応用
7)ステロイド性骨壊死動物モデルを用いた病態解析と臨床における予防法開発
結果と考察
特発性大腿骨頭壊死症患者約300名から詳細な臨床疫学的情報収集を完了し、さらに同患者からのDNAサンプル抽出も完了した。さらに、骨壊死と類似の臨床像を呈する骨系統疾患患者3名からも同様の情報とDNAを収集した。また、ステロイド投与歴があるが大腿骨頭壊死症を発生していない患者群の収集は20例収集が完了した。また、予防に関しては、世界初の試みとして、抗攣縮薬およびステロイドMR受容体阻害剤を用いた骨壊死発生予防効果を検討した。あわせてステロイド剤の投与方法の違いによる骨壊死発生の頻度を検討した。
結論
最終的な目標である臨床におけるステロイド性骨壊死予防法開発に向けた、臨床試験のプロトコールを作成し、ゲノム解析と同時並行での臨床試験を多施設共同で開始するなど、研究は順調に進められている。本年度における目標は達成できており、今後の更なる発展が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2012-05-25
更新日
-

収支報告書

文献番号
201135011Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
100,000,000円
(2)補助金確定額
100,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 71,592,963円
人件費・謝金 520,690円
旅費 1,687,880円
その他 3,122,928円
間接経費 23,076,000円
合計 100,000,461円

備考

備考
差異の出所:自己資金461円

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-