地域蓄積・収集した稀少疾患の系統的原因究明

文献情報

文献番号
201135007A
報告書区分
総括
研究課題名
地域蓄積・収集した稀少疾患の系統的原因究明
課題番号
H23-実用化(難病)・一般-007
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
吉浦 孝一郎(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 木下 晃(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 荻 朋男(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 要 匡(琉球大学大学院医学研究科)
  • 成富 研二(琉球大学大学院医学研究科)
  • 園田 徹(九州保健福祉大学保健学部臨床遺伝学)
  • 井田 弘明(久留米大学医学部)
  • 渡邊 順子(久留米大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(難病関係研究分野)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
79,764,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は大規模高速シーケンサーを利用し,難病・稀少疾患の原因遺伝子を明らかにすること,および遺伝子情報に基づき,その疾患の治療法の開発の基盤とし医療への応用をはかることである。特に本年度はこれまでに収集してきた疾患の解析を進めると同時に,新規疾患収集システムを確立することを目的とした。また,本年度導入した高速シーケンサーLifeTechnologies: SOLiD5500xlの稼働最適条件設定を行った。
研究方法
研究代表者が研究分担者から試料解析の依頼を受け,高速シーケンサー(LifeTechnologies: SOLiD5500xl)にてdataを取得し,塩基配列整列,データベースとの照合,見つかった塩基変化のannotationまでを行う計画とした。また,SOLiD5500xlは新機種であるために稼働条件の適正化をはかる間は,塩基配列決定をIllumina社のHiSeq2000を使った外部委託することも考えながら塩基配列決定の計画を立てた。次世代シーケンサー解析により疾患原因候補変異は,キャピラリーシーケンサーにより再確認した。既に試料を所有する Cockayne 症候群,C 症候群,末端異骨症,筋線維腫症,筋萎縮性側索硬化症,歌舞伎症候群等についてexome解析を開始した。
結果と考察
Cockayne 症候群,C症候群,末端異骨症の原因を明らかにすることが出来た。また,SOLiD5500xlの稼働最適条件も確立することが出来たので,来年度以降は新規原因遺伝子の探索がより迅速に進められると期待できる。新規疾患収集には,重症心身障害児(者)施設の医師である近藤達郎のもと九州 dysmorphology conference をたちあげ,九州一円から新規原因不明稀少疾患の収集が行える体制を整えた。
結論
次世代シーケンサーによる塩基配列決定は,非常の有用な単一遺伝子性疾患の原因探索に非常に大きな役割を果たす。exon部分の濃縮のステップを含むためにexno部の90%程度が塩基配列決定されていると考えられるが,それでもかなりの部分は塩基配列の変化が原因である疾患は,原因遺伝子を明らかに出来る。今後は,原因不明の疾患の塩基配列決定を通して,疾患の遺伝子診断システムの構築を目指す。

公開日・更新日

公開日
2012-05-25
更新日
-

収支報告書

文献番号
201135007Z