小児科・産科領域疾患の大規模遺伝子配列解析による病因解明とゲノム解析拠点整備

文献情報

文献番号
201135003A
報告書区分
総括
研究課題名
小児科・産科領域疾患の大規模遺伝子配列解析による病因解明とゲノム解析拠点整備
課題番号
H23-実用化(難病)・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
梅澤 明弘(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 深見 真紀(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所 )
  • 服部 正平(東京大学)
  • 高木 利久(東京大学)
  • 松本 健治(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 野村 伊知郎(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 小野寺 雅史(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 奥山 虎之(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 秦 健一郎(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 東 範行(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 藤原 成悦(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 中村 浩幸(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 田上 昭人(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 高田 修治(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 村島 温子(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 新関 寛徳(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 堀川 玲子(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 藤野 明浩(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 大矢 幸弘(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(難病関係研究分野)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
153,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
遺伝学的解析手法の発展により、家系症例を収集可能な単一遺伝性疾患や、大きな染色体構造異常を有する疾患の多くで、原因遺伝子が同定されている。その一方で、多くの小児先天性疾患、異常妊娠は、未だ遺伝要因が明らかでない。これらの疾患は、稀少性に加え、点変異や微細欠失、多因子、あるいはde novo変異等の背景があると推測され、従来の遺伝学的手法では責任遺伝子の同定が困難であり、次世代シークエンサーやマイクロアレイ技術による網羅的配列解析が必須かつ極めて有効と期待される。実際に、すでに様々な疾患で、これらの配列解析技術を利用し、多くの画期的研究成果が上げられている。しかし、小児科・産科疾患の原因遺伝子同定への応用例は少なく、ゲノム解析体制の整備が喫緊の課題である。
研究方法
本研究計画では、小児の難治性疾患を中心とし、原因不明の成育疾患のゲノム解析を行い、関連遺伝子変異あるいは関連遺伝子多型の同定を目的とする。また、他の拠点形成研究班や6NCバイオバンクと連携し、小児疾患のゲノム解析拠点の形成を行う。
結果と考察
データベース構築は、特に、疾患とゲノム変異との相関性の観点に注意し、OMIMや種々の疾患データベース、アップデートに対応した文献情報データベースへのリンクを念頭に入れてデザインを行う。また、個人保護を最大限遵守するため、まず本課題関連研究者(分担者および協力者)と共有できるセキュリティーの高い管理下(ローカルネットあるいはVPN以上)で実施し、課題ごとに臨床上有用と判断できる状況になったものから、専門医や当該領域研究者がコントロールアクセス可能なシステム構築を行った。
結論
原因不明とされてきた難治性疾患、稀少疾患の関連遺伝子変異および関連遺伝子多型の同定は、確定診断法の開発に直接つながる。また、解明した原因遺伝因子を臨床情報と併せて解析することで、新たな疾患概念の提唱・予防・予後予測、更には画期的な治療法の開発への展開応用が期待できる。長年にわたり成育医療センターが独自に行ってきたコホート研究の資産を有効活用し、正確な情報を伴った対照群を選定できる事から、精度の高い研究成果が期待でき、利用価値の高い疾患遺伝因子のリファレンスデータベースを構築できる。

公開日・更新日

公開日
2012-06-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201135003Z