文献情報
文献番号
201134010A
報告書区分
総括
研究課題名
健康危機発生時における地域健康安全に係る効果的な精神保健医療体制の構築に関する研究
課題番号
H22-健危・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
金 吉晴(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 成人精神保健研究部)
研究分担者(所属機関)
- 加藤 寛(兵庫県こころのケアセンター)
- 鈴木友理子(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 成人精神保健研究部)
- 中島聡美(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 成人精神保健研究部)
- 伊藤弘人(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 社会精神保健研究部)
- 黒澤美枝(岩手県精神保健福祉センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
2,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、健康危機発生時に効果的かつ効率的な精神保健サービス提供を目指し、事前の研修プログラムの開発、災害時精神保健システムの構築を行い、この効果を検討することを目的とした。
研究方法
地域危機発生時の精神保健対応の具体的な方法論を検討し、保健師らを対象とした研修プログラムを開発する。災害精神保健ガイドライン等を実際に運用し、その問題点を改善するとともに、現場で活用できるようツールを作成する。健康危機発生のフェーズの各段階における効果的な治療・ケアを保証する精神保健医療体制を明らかにして、精神保健医療のモデルを提示する。
結果と考察
災害後の精神医療の概要を展望し、医療、保健、福祉活動従事への研修の中で、災害時精神保健医療対応における重要点(ストレス要因の区別、自然回復の尊重、介入と支援活動の区別、時系列的な症状経過の観察など)を指摘した。東日本大震災における外部支援チームのコーディネートに関する検討では、支援チーム間の連絡は必ずしも十分でなかったことなど様々な問題点が指摘され、派遣チームの事前トレーニングの必要性などの課題を抽出した。災害精神保健医療マニュアル改訂版普及のための行政職員対象研修プログラムでは、研修資材を改定した上でそのツールをホームページへ掲載し、研修ツールをパッケージ化し、さらにプログラムを試行して参加者のフィードバックを更なる改善へ反映させた。被災地の精神保健を担当する行政機関への支援の有用性およびその在り方についての検討においては、現在、被災地の精神保健行政への国からの支援は、その都度検討されなくてはならない状況であることを見いだした。「大型自然災害時の精神保健対応クリティカルパス」に関しては、宮城県で活用されたことを確認し、聞き取り調査から実践における課題を抽出した。
結論
災害後の精神保健医療において何が重要であるか、研修等を通じてその普及に努め、災害精神保健医療マニュアル改訂版についても研修ツールのホームページ掲載及びパッケージ化を行った。東日本大震災における外部支援チームのコーディネートに関しては派遣チームの事前トレーニングなどが求められており、被災地の精神保健行政への国からの支援は、その都度検討されなくてはならない状況であることが確認された。「大型自然災害時の精神保健対応クリティカルパス」については、宮崎県を対象に実際の災害対応に基づき評価を行い、課題を抽出した。
公開日・更新日
公開日
2012-12-25
更新日
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