健康危機管理従事者のリスク/クライシス・コミュニケーションスキル向上のための研修プログラムの開発と評価

文献情報

文献番号
201134001A
報告書区分
総括
研究課題名
健康危機管理従事者のリスク/クライシス・コミュニケーションスキル向上のための研修プログラムの開発と評価
課題番号
H21-健危・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 肇子(慶應義塾大学 商学部)
研究分担者(所属機関)
  • 杉浦 淳吉(愛知教育大学 教育学部)
  • 加藤 文俊(慶應義塾大学 環境情報学部)
  • 中村 美枝子(流通経済大学 社会学部)
  • 長岡 健(法政大学 経営学部)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 堀口 逸子(順天堂大学 医学部)
  • 重松 美加(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
8,616,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
健康危機管理従事者のためのリスク/クライシス・コミュニケーションスキル向上のための研修プログラムの開発と評価を行った。本年度は、作成したプログラムが広く利用可能になるように、教材を完成させ、実施者向けの手引き書を作成した。
研究方法
完成した教材は、実施キットおよび自習用ワークブックである。自習用ワークブックは、すでに厚生労働科学研究費補助金の成果として提出されている「クライシス・コミュニケーション・マニュアル」の内容を自習できるものである。その際、本研究班が開発したe-leaningのサイトが研究終了後閉鎖されることを考慮し、サイトの内容ができるだけ学習できるように配慮した。また、とくに体験型のプログラムについては、実施したことがなくても実施の手順がわかるように、実際の使い方を紹介するビデオを作成した。以上の教材を活用して研修を実施する指導者向けには、実施手引書を作成した。本年度は、指導者向けに2日に渡って講習会を開催し、開発したプログラムの普及を図った。
結果と考察
開発したプログラムについては、体系化した一覧表を作成し、研修目的と活用の仕方が理解しやすいようにした。これらの個別のプログラムは、健康危機管理従事者向けの研修を実施する者が、それぞれの目的に合わせて選択できるようになっている。実施時間(数時間から数日)に応じて、それぞれのプログラムをモジュール化し、組み合わせていく手法についても検討を加え、研修組み立ての考え方を整理した。この考え方については、指導者向けの講習会で紹介したところである。
開発したプログラムについて、国際シミュレーション&ゲーミング学会で実演を含めて発表したところ、国外の参加者からも高い評価を得た。特に、公衆衛生分野の専門家の関心が高かった。発表した2つの研修プログラムについては、学会開催後出版された‘Bonds and Bridges’に掲載された。
結論
本年度の計画については、ほぼ計画通りに実施することができた。また、成果物として数多くの研修プログラムを提供し、実施の手引きやワークブック、実施ビデオを作成・配布できた。今後は、これらのプログラムが広く活用できるように、成果の出版を通して普及に努める予定である。

公開日・更新日

公開日
2012-12-25
更新日
-

文献情報

文献番号
201134001B
報告書区分
総合
研究課題名
健康危機管理従事者のリスク/クライシス・コミュニケーションスキル向上のための研修プログラムの開発と評価
課題番号
H21-健危・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 肇子(慶應義塾大学 商学部)
研究分担者(所属機関)
  • 杉浦 淳吉(愛知教育大学 教育学部)
  • 加藤 文俊(慶應義塾大学 環境情報学部)
  • 中村 美枝子(流通経済大学 社会学部)
  • 長岡 健(法政大学 経営学部)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 堀口 逸子(順天堂大学 医学部)
  • 重松 美加(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
健康危機管理従事者のためのリスク/クライシス・コミュニケーションスキル向上のための研修プログラムの開発と評価を行った。
研究方法
平成21度は、既存の研修プログラムについて、収集・検討を行うと共に、試験的に研修プログラムを実施し、その評価を行った。具体的には、1泊2日の連続研修、地方自治体の保健所および防災担当部局の研修、厚生労働省省内での6回の連続研修を実施した。
平成22度は主に作成したプログラムを本格的に実施し、その評価を行った。プログラムの実施実績は、地方自治体の健康危機管理従事者向けに計4回、厚生労働省内研修4回であった。特に地方自治体向けの研修は、研修担当者との事前打ち合わせを重ねることによって、本研究班のプログラムの内容を、先方のニーズに合わせて実施することができた。
結果と考察
平成22・23年度は、上記の実施結果および平成21年度から収集している既存のプログラムを踏まえ、本研究班独自の教材も開発した。また、実施手引き書の作成を行った。さらに、研修参加者が、コミュニケーション一般およびリスク/クライシス・コミュニケーションについての基礎的な知識を自習できるようなe-learningサイトを平成21年度に試験的に構築し、22年度に本格運用した。その成果については、本研究班の対面研修に参加した参加者を中心に学習を進め、あわせて内容の評価を行った。
これら開発した教材については、事前事後の実験デザインによって評価した。その結果、グループ内での傾聴および情報活用に関する評価に比べ、時間管理の評価が低いこと、2)時間管理への評価が高いほど、目標達成を高く評価していること、の2点が明らかとなった。e-learningシステムについては、全体として評価は高かったものの、紙媒体での教材と比較してのわかりやすさには差がなかった。
結論
3年間の研究は、ほぼ計画通りに実施することができた。開発したプログラムは国立保健医療科学院の研修や地方自治体の研修に活用されている。e-learningサイトで作成したコンテンツは、食中毒監視員向けのe-learningサイト(NEFSD)に提供した。また、3年間の成果は、「リスク・コミュニケーション・トレーニング」として出版の予定である。これによって研究終了後も、健康危機管理従事者のリスク/クライシス・コミュニケーションスキルの向上に貢献できると考えている。

公開日・更新日

公開日
2012-12-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201134001C

収支報告書

文献番号
201134001Z