化学物質の安全性と発がん性リスク評価のための短・中期バイオアッセイ系の開発

文献情報

文献番号
201133025A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質の安全性と発がん性リスク評価のための短・中期バイオアッセイ系の開発
課題番号
H23-科学・指定-007
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
吉見 直己(琉球大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 智(名古屋市立大学 大学院医学研究科)
  • 塚本 徹哉(藤田保健衛生大学 医学部)
  • 久野 壽也(岐阜大学 大学院医学研究科)
  • 魏 民(大阪市立大学 大学院医学研究科)
  • 横平 政直(香川大学 医学研究院 )
  • 小川 久美子(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター)
  • 戸塚 ゆ加里(国立がん研究センター研究所 発がんシステム研究分野)
  • 伊吹 裕子(静岡県立大学 環境科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
22,310,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、短・中期発がん予測バイオアッセイ系を開発し、発がん試験ガイドライン設定の方向性への提唱が目的である。既にヨーロッパ・ユーロ圏の諸国での研究施設では、法律により動物実験系ができないため、代替実験法の開発が急がれるが、ヒトに対する発がん影響を反映できる代替法は現在のところないため、動物モデルでの評価法は未だに必要不可欠であり、動物試験に対する3R(代替法活用、使用数削減、苦痛軽減)の原則を考慮した短・中期での各臓器別の発がん試験の開発が望まれる。すなわち、従来の判定である肉眼的な腫瘍形成に関わらず、腫瘍形成を判定し得る病理組織学的な評価での試験法の開発を目指す。また、多施設での試験動物の共有化のシステム構築による動物数の削減化に関しても検討する。
研究方法
主に臓器別に中・短期バイオアッセイ系の確立のために、胃、大腸、肝臓、肺臓、膀胱および前立腺に対する特異的な発がん物質を利用して、早期に病理形態的に観察される病変を誘導させ、その特徴を検討する。各分担者により、モデル系は異なるため、ここではその誘導方法の詳細は省略する。また、多施設共同システム構築のために、分担者ごとの研究対象臓器に対する固定・保存・標本作製方法の共通プロトコールの作成を検討する。
結果と考察
今年度は、研究開始時期が2012年1月からからであったため、結果を出せる時間的に余裕が乏しく、現在、動物系実験の準備段階で、それぞれ分担者により各臓器別で早期がん病巣を特定できる中短期モデルの開発が進行している。これまで、既に多くの臓器で前がん性病変が研究されているが、その病理組織学的診断による有力な前がん病変とともに、加えて遺伝子発現でのバイオマーカーを組み合わせることで、中短期動物モデルでの病理組織診断を利用した腫瘍性早期病変の特定が期待されうると考えている。
結論
動物を供する発がん試験における代替法の確立は化学物質のヒトに対する安全性に重要であり、その観点で今回の研究は動物実験に対する3R(代替法活用、使用数削減、苦痛軽減)の原則に基づいた動物での発がん試験の開発、すなわち、腫瘍形成の有無を推測できるシステムの構築の確立を目指し、ヒトへの安全に寄与するものと位置づけている。

公開日・更新日

公開日
2012-05-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201133025Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
29,000,000円
(2)補助金確定額
29,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 20,296,720円
人件費・謝金 206,819円
旅費 1,099,200円
その他 707,268円
間接経費 6,690,000円
合計 29,000,007円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2014-08-12
更新日
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