医療用医薬品の使用上の注意の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
201132075A
報告書区分
総括
研究課題名
医療用医薬品の使用上の注意の在り方に関する研究
課題番号
H23-医薬・指定-026
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 信範(国立大学法人 千葉大学 大学院薬学研究院 臨床教育研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 村山 純一郎(昭和大学病院 薬剤部)
  • 大山 邦男(東京薬科大学臨床ゲノム生化学)
  • 小林 江梨子(国立大学法人 千葉大学 大学院薬学研究院 臨床教育研究室 )
  • 工藤 賢三(岩手医科大学薬学部臨床薬剤学講座)
  • 宮村 充彦(高知医科大学教育研究部医療学系臨床医学部門)
  • 荒田 尚子(国立成育医療研究センター母性医療診療部 代謝・内分泌内科)
  • 島田 安博(独立行政法人国立がん研究センター消化管腫瘍科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
6,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「医療用医薬品の添付文書の在り方及び記載要領に関する研究」(平成20年度から22年度)の報告では、現行の添付文書は、多くの医師や薬剤師から「重要」であるとの認識がなされ、おおむね妥当であるとの判断がなされた。しかし、記載されている文章が画一的である等使用上の注意の各項目に関しての検討の必要性が指摘された。そこで、本研究では、医療用医薬品添付文書の各項目の記載方法について検討を加えた。
研究方法
本研究では、使用上の注意の各項目に関して以下の項目の記載内容を検討した。
1.[警告]、[禁忌]、[慎重投与]、[高齢者への投与]、[承認条件]2.[効能・効果及び用法・用量に関連する使用上の注意]3.[重要な基本的注意]及び[副作用]4.[妊婦、産婦、授乳婦等への投与]、[小児等への投与]5.[臨床検査結果に及ぼす影響]、[過量投与]、[臨床成績]、[その他の注意]6.[相互作用・遺伝子情報]7.[薬効・薬理]、[有効成分に関する理化学的知見]、[取扱い上の注意]
結果と考察
[警告]の項は、警告に記載する必要は考えられない内容が記載されていた。[原則禁忌]の項は、区別と判断が難しいことが明らかとなった。[慎重投与]は、米国の医療用医薬品添付文書記載要領で”the Use in Specific Population”に記載すべきとされている内容とほぼ同等であったが、[高齢者への投与]、[妊婦、産婦、授乳婦等への投与]、[小児等への投与]の項は、本邦の添付文書では独立していた。しかし、[高齢者への投与]の項では曖昧な記載が指摘された。[効能・効果および用法・用量に関連する使用上の注意]は、記載項目と記載内容の不一致が認められた。[副作用]は、どのような必須事項を記載すべきかが添付文書をどのような文書として位置付けるかによって大きく変わりることが示された。[妊婦、産婦、授乳婦等への投与]の項は、妊婦及び授乳婦に対する薬のリスクカテゴリ―の必要性が指摘された。[臨床検査結果に及ぼす影響]、[過量投与]、[臨床成績]、[その他の注意]、[取扱い上の注意]は、大きな問題はなかった。[相互作用・遺伝子情報]は、個々の情報の記載内容及び様式の統一性の検討が指摘された。
結論
今回検討した、医療用医薬品添付文書の項目の記載方法について、分担研究者から、現行の添付文書での問題点や新たな提言がなされた。今後、これら提言が添付文書の性格に合致し新しい添付文書の基礎となるか検証を進める。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201132075Z