医薬品等の市販後安全対策のための医療情報データベースを活用した薬剤疫学的手法の確立及び実証に関する研究

文献情報

文献番号
201132074A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品等の市販後安全対策のための医療情報データベースを活用した薬剤疫学的手法の確立及び実証に関する研究
課題番号
H23-医薬・指定-025
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
川上 純一(浜松医学大学 医学部附属病院薬剤部)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院医療情報部)
  • 堀 雄史(浜松医科大学がん教育研究センター)
  • 大江 和彦(東京大学医学部附属病院企画情報運営部)
  • 中島 直樹(九州大学病院医療情報部)
  • 横井 英人(香川大学医学部附属病院医療情報部)
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学薬学部)
  • 斎藤 嘉朗(国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部)
  • 頭金 正博(名古屋市立大学薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
8,344,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1,000万人規模の医療情報データベースを利用した医薬品の安全対策を先導するため、医薬品の市販後安全対策への活用に直結する薬剤疫学的調査手法を確立及び実証することを目的とした。具体的には、(1) 約100万人の規模の電子医療情報を用いた医薬品の副作用の検出方法及び行政施策の効果反映等に関する検討(第1部)、(2) 医療情報データベースを有する複数の医療機関における現状等に関する検討(第2部)、(3) 海外での医療情報データベースを活用した医薬品の安全性評価に関する調査(第3部)を実施した。
研究方法
(1) 臨床情報検索システムD*Dを用いて、薬剤による検査値異常を検出する方法と、臨床上問題となる副作用検出のアルゴリズムについて検討した。オセルタミビルリン酸塩の10代への使用制限を例にして、処方動向を通知前後で比較した。副作用ごとに調査対象の医薬品の処方と臨床検査を受けた患者数を集計した。(2) 厚生労働省医療情報基盤整備事業の協力医療機関である4施設において保有するデータベースの規模、構造、検索できるデータ、検索例などについて検討した。(3) 米国FDAのSentinel Initiativeおよび欧州EMAのENCePPの取組みの進捗状況について調査した。
結果と考察
(1) パターン分類に基づき「処方前後に異常値」または「処方前に異常値」である処方日の有無により、薬剤処方後に検査値異常を発生した患者を同定可能であることが分かった。横紋筋融解症等の代表的な副作用検出アルゴリズムの構築を行った。医療情報データベースを用いた行政施策の効果検証の実施可能性を見出した。検討した被疑薬の処方及び検査実施を確認し、中には症例の少ない被疑薬や件数の少ない特殊検査もあることが分かった。(2) 浜松医科大学、東京大学、九州大学および香川大学の各附属病院が保有する診療情報システムの特性を把握し、データベース検索の実施に関する現状と課題等を把握した。(3) 欧米2事例の概要を把握すると共に、日本においてデータベースを二次利用する際の方法論、研究手順、個人情報保護などについて参考になる点が多いことを見出した。
結論
副作用の検索方法の確立及び行政施策の医療現場への反映の確認を行うと共に、基盤整備事業の協力医療機関における検索例を含めたデータベース概要と海外におけるデータベースを用いた安全性評価の進捗状況を把握することができた。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201132074Z