全国のサリドマイド胎芽病患者の健康、生活実態に関する研究

文献情報

文献番号
201132072A
報告書区分
総括
研究課題名
全国のサリドマイド胎芽病患者の健康、生活実態に関する研究
課題番号
H23-医薬・指定-023
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
吉澤 篤人(独立行政法人 国立国際医療研究センター 病院 )
研究分担者(所属機関)
  • 栢森 良二(帝京大学医学部リハビリテーション科)
  • 小林 毅(千葉県立保健医療大学 リハビリテーション学科)
  • 木村 壯介(独立行政法人 国立国際医療研究センター 病院 病院長)
  • 蓮尾 金博(独立行政法人 国立国際医療研究センター 病院 放射線診療部)
  • 今井 公文(独立行政法人 国立国際医療研究センター 病院 精神科)
  • 新保 卓郎(独立行政法人 国立国際医療研究センター 病院 臨床研究センター)
  • 森吉 百合子(独立行政法人 国立国際医療研究センター 病院 人間ドック科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
15,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、296名生存しているサリドマイド胎芽病者の内臓器の欠損および低形成の有無を調査することを主目的とする。また、健康状態および生活の実態調査を行うことで適切な支援のあり方を検討することを副次的な目的とする。
研究方法
22名を対象として国立国際医療研究センター病院に3泊4日間にわたり網羅的な健康診断を行った。その間に健康状態と生活実態のアンケートに使用する調査票を作成することを目的とした予備調査を行った。
結果と考察
1)網羅的健診の結果
・対象は男性9名女性13名。年齢は47から51歳であった。
・5名において塊椎(block vertebrae)が認められた。いずれも上肢の低形成ないし欠損者であった。 6名が先天性無胆嚢症であった。
・頭部CTで聴力障害者の中耳および内耳の構造異常について検討したところ耳小骨の形成不全、半規管の低形成、前庭の嚢胞性変化など多彩な異常があることが判明した。
・これまで上肢の低形成ないし欠損者の血圧測定法は確立されていなかったが、デジタル自動血圧計を用い、足関節上部で後脛骨動脈の圧を測定することが最も利便性と合理性が高いとの結論に至った。
・下肢血圧から上肢血圧を予測する式「上肢血圧=0.88×下肢血圧」を作成した。
・上部消化管内視鏡検査を円滑に施行するための「内視鏡医向けQ&A」を作成した。
・心理検査および精神科構造面接により作動記憶および処理速度が低い可能性が示唆された。
・サリドマイド胎芽病者が人間ドックおよび健康診断を受診する際の医療機関側の留意点をまとめた。
・採血、採尿および各種の臨床検査を受ける際に医療機関が配慮すべき具体的な事項をまとめた。
2)生活実態調査のための調査票を作成した
・網羅的なパイロット健診で入院した22名中8名の協力を得て、三菱総研の担当者が直接面談し、不適切ないし不明確な質問がないかのヒアリングを行った。
・200項目の意見が得られたため修正を加え、「サリドマイド被害者生活実態調査」の調査票を作成した。
結論
サリドマイド胎芽病者にはこれまで指摘されていない内臓器の異常がある。塊椎(block vertebrae)など加齢にともなって症状が出現する病態もあり、生活の障害になっている可能性があるため、健康および生活の実態調査が必要である。

公開日・更新日

公開日
2014-07-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132072Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
20,000,000円
(2)補助金確定額
20,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,754,676円
人件費・謝金 516,600円
旅費 295,740円
その他 12,833,027円
間接経費 4,600,000円
合計 20,000,043円

備考

備考
43円は銀行利息である。

公開日・更新日

公開日
2014-07-01
更新日
-