文献情報
文献番号
201132070A
報告書区分
総括
研究課題名
糖尿病性腎症の治療薬に関する臨床的評価方法確立に関する研究
課題番号
H23-医薬・指定-021
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
四方 賢一(岡山大学病院 新医療研究開発センター)
研究分担者(所属機関)
- 槇野 博史(岡山大学大学院医歯薬総合研究科・内科学)
- 羽田 勝計(旭川医科大学・内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、患者数が増加の一途をたどっている糖尿病性腎症に関する治療薬の円滑な開発に資するよう、真のエンドポイントと同等なサロゲートエンドポイントの検討を行い、国内外の臨床診断の実態や治療方法の相違も考慮し、国際的な整合などに向けた臨床評価方法の確立を検討し、国内ガイドライン案の作成を行う。
研究方法
現在までの糖尿病性腎症治療薬に関する臨床試験のレビューを行い、我が国の状況に応じた適切なエンドポイントを設定し、臨床評価ガイドライン案を作成する。
結果と考察
第一回班会議 2011.6.15:臨床研究のメタ解析の結果、アルブミン尿/蛋白尿と腎機能低下が腎不全を予知する有力なサロゲートエンドポイントであることが示唆された。
第二回班会議 2011.8.13:真のエンドポイントに匹敵するサロゲートエンドポイントについて、研究協力者が個々に検討した結果を報告した。その結果、アルブミン尿/蛋白尿またはGFRが、サロゲートエンドポイントの有力な候補であることが確認された。さらに、早期腎症と顕性腎症に分類すること、治験薬の種類別に主要評価項目を検討する方針を決定した。
第三回班会議 2011.12.4:第二相、第三相における早期腎症と顕性腎症それぞれの主要評価項目の内容を検討した。
第四回班会議 2012.2.19:早期腎症第三相試験の主要評価項目としての「寛解」の定義を議論した。さらに、ガイドライン案に記載する事項を詳細に検討した。
アルブミン尿、蛋白尿は腎症進展と心血管イベントの危険因子であることが示されており、また、GFRも腎機能評価の指標として認知されているが、FDA、EMAにおいても、未だこれらのサロゲートエンドポイントは採用されていないのが現状である。今回、顕性腎症期の主要評価項目にGFR<15ml/min、GFRの半減を加え、非致死的な心血管イベントを追加した複合エンドポイントとし、早期腎症では3期への移行または1期への寛解をエンドポイントとした。また、顕性腎症に対する治療薬の開発を迅速化するために、海外や国内での臨床試験成績の有無などによって、治療薬をグループ化する案を作成した。
第二回班会議 2011.8.13:真のエンドポイントに匹敵するサロゲートエンドポイントについて、研究協力者が個々に検討した結果を報告した。その結果、アルブミン尿/蛋白尿またはGFRが、サロゲートエンドポイントの有力な候補であることが確認された。さらに、早期腎症と顕性腎症に分類すること、治験薬の種類別に主要評価項目を検討する方針を決定した。
第三回班会議 2011.12.4:第二相、第三相における早期腎症と顕性腎症それぞれの主要評価項目の内容を検討した。
第四回班会議 2012.2.19:早期腎症第三相試験の主要評価項目としての「寛解」の定義を議論した。さらに、ガイドライン案に記載する事項を詳細に検討した。
アルブミン尿、蛋白尿は腎症進展と心血管イベントの危険因子であることが示されており、また、GFRも腎機能評価の指標として認知されているが、FDA、EMAにおいても、未だこれらのサロゲートエンドポイントは採用されていないのが現状である。今回、顕性腎症期の主要評価項目にGFR<15ml/min、GFRの半減を加え、非致死的な心血管イベントを追加した複合エンドポイントとし、早期腎症では3期への移行または1期への寛解をエンドポイントとした。また、顕性腎症に対する治療薬の開発を迅速化するために、海外や国内での臨床試験成績の有無などによって、治療薬をグループ化する案を作成した。
結論
糖尿病性腎症の治療薬に関する臨床的評価方法に関するガイドライン案を作成した。今後は、本ガイドライン案をさらに詳細に検討し、専門家から幅広く意見を聴取して、最終的なガイドライン案を作成したい。
公開日・更新日
公開日
2015-06-29
更新日
-