薬物乱用・依存等の実態把握と薬物依存症者に関する制度的社会資源の現状と課題に関する研究

文献情報

文献番号
201132064A
報告書区分
総括
研究課題名
薬物乱用・依存等の実態把握と薬物依存症者に関する制度的社会資源の現状と課題に関する研究
課題番号
H23-医薬・一般-014
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
和田 清(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 嶋根 卓也(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)
  • 松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)
  • 庄司 正実(目白大学 人間学部)
  • 福永 龍繁(東京都監察医務院)
  • 宮永 耕(東海大学 健康科学部)
  • 山口 みほ(日本福祉大学 社会福祉学部)
  • 近藤 あゆみ(新潟医療福祉大学 社会福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
薬物乱用・依存対策の基礎資料に供するために,(研究1)薬物乱用・依存の実態把握調査と,再乱用防止のために、(研究2)薬物依存症者に関する制度的社会資源研究と治療プログラムの開発・評価研究を行った。
研究方法
(研究1)1.全国住民調査を実施した.5.監察医務院調査を行った。2.全国精神科病院調査,3.全国児童自立支援施設調査,4. 薬剤師を情報源とする医薬品乱用調査は,次年度の本調査の準備を行った.(研究2)1.社会復帰を目的とした制度の重なりに関する研究,2.制度的社会資源の活用に関する研究,3.司法関連施設少年用薬物乱用防止教育ツールの効果研究、4.家族教育プログラムの開発・評価研究を行った。
結果と考察
(研究1)1.飲酒1年経験率は、男性88.9%、女性81.9%、全体85.3%であった。喫煙1年経験率は、男性43.4%、女性16.2%、全体29.3%であった。鎮痛薬、精神安定薬、睡眠薬の1年経験率、それぞれ58.6%、5.6%、5.6%であった。違法薬物の生涯生涯経験率は、有機溶剤1.6%、大麻1.2%、覚せい剤0.4%、MDAM0.1%であり、これらのうちのいずれかの薬物の生涯経験率は2.7%で、有機溶剤を除いたいずれかの薬物の生涯経験率は1.5%であった。5.2002~2011年で、覚せい剤の検出は年間30件前後で一定していたが、医薬品等が339件増加し,1,605件であった.(研究2)1.ダルクの運営形態は制度の変遷に対応するかのように変化していた.2. 精神障害者が活用し得る制度的社会資源はそもそも少ないが,それらの利用前提となる精神障害者福祉手帳の取得が薬物依存症者にとっての実質的障壁となっていた。3. 刑事施設被収容中の薬物乱用問題を持つ成人女性に対して自習ワークブックと教育プログラムを実施したが,男性のような明確な効果は認められなかった.4.家族心理教育プログラムを家族会参加者に実施し、その理解度及び有効性が確認された.
結論
薬物乱用状況は、有機溶剤優位型から欧米型(大麻優位型)に変化するとともに,医薬品の乱用・依存が相対的に目立ってきており、その実態把握と対策が必要である。再乱用防止には、薬物依存症に対する「医療モデル」「福祉モデル」としての取り組みが不可欠であるが、そのための制度的社会資源を増やすとともに,本研究で開発した治療プログラムの行政的普及が必要である.

公開日・更新日

公開日
2014-05-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132064Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
18,000,000円
(2)補助金確定額
18,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 764,385円
人件費・謝金 993,100円
旅費 1,488,330円
その他 14,805,579円
間接経費 0円
合計 18,051,394円

備考

備考
不足額は自己資金でまかなった.

公開日・更新日

公開日
2014-05-13
更新日
-