文献情報
文献番号
201132059A
報告書区分
総括
研究課題名
製薬企業におけるコンプライアンス体制の実態把握と実効上の問題抽出に関する研究-特に子会社、グループ企業、委託先のコンプライアンス確保について
課題番号
H23-医薬・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
白神 誠(日本大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
田辺三菱製薬における「メドウエイ問題に関する社外調査委員会」の委員として、コンプライアンス体制が整備されているにもかかわらず十分に機能していないことが問題発生の原因の一つであることを明らかにした。同時に、コンプライアンス体制が整備されているとされている他の製薬企業においても、平時はともかく、緊急時にはそれが機能せず同様なことが起こりうるのではないかとの危惧を抱いた。そこで、主な製薬企業のコンプライアンス責任者等にインタビューを行い、各社のコンプライアンス体制の実態を把握し、実効性の面からの問題点を明らかにするとともに、他社の模範となる事例については積極的に紹介していく。
研究方法
製薬協が会員68社(当時)に対し平成22年12月に行ったコンプライアンス体制に関するアンケート調査の回答を入手し解析を行う。解析結果を踏まえ、主な製薬企業のコンプライアンス責任者等に対し、詳細なインタビューを行う。
結果と考察
今回のアンケート結果を、製薬協が平成13年10月に会員各社(当時は82社)に対し行ったアンケート結果と比較してみると、主要6項目すべてにおいてその比率が上昇していた。このようにコンプライアンス・プログラムに関しては、「コンプライアンスの人事考課への反映」を除いて、ほぼ全社において形は整ったものとみなせる。しかし、今回の調査結果からは、平時はともかく有事に本当に機能するのかという点で、懸念を感じさせる回答が示されている。また、昨今頻発している事例を考えたとき、子会社や関連会社あるいは取引先のコンプライアンス・プログラムの考慮が十分には行われていないことにも不安を覚える。
製薬協会員会社46社のコンプライアンス責任者等に対し、詳細なインタビューを行った。現在、インタビュー結果を各社ごとに整理しているところであるが、アンケートでは把握できないところが多々あることが明らかとなっている。
製薬協会員会社46社のコンプライアンス責任者等に対し、詳細なインタビューを行った。現在、インタビュー結果を各社ごとに整理しているところであるが、アンケートでは把握できないところが多々あることが明らかとなっている。
結論
今後、各社においてコンプライアンス・プログラムは何故必要なのか、そしてどの程度取り組むべきなのかについてコンセンサスを得た上で、それと整合性のあるコンプライアンス・プログラムとしていく必要があるものと思われる。来年度も、ジェネリック企業を含めインタビューを継続し、製薬企業におけるコンプライアンス体制のあり方について提言を行う予定である。
公開日・更新日
公開日
2017-05-30
更新日
-