医療機器の添付文書の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
201132058A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器の添付文書の在り方に関する研究
課題番号
H23-医薬・一般-008
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
外 須美夫(九州大学 医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 松田 勉(山形大学 医学系研究科)
  • 廣瀬 稔(北里大宅 医療衛生学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、医療現場を対象としたアンケート調査により、医療機器の個別問題品目および医療機器の添付文書の全般にわたる問題点を聴取し、医療事故に繋がる可能性がある等見直しの優先度の高い医療機器の添付文書について、具体的な改訂案の検討を行うものである。
 
研究方法
アンケート対象は、全国の病床数100床以上の病院5,122施設とした。
また、調査期間中に日本臨床工学技士会に依頼し、会員にメールでアンケートへの協力をお願いした。

結果と考察
平成24年1月末までに回答のあったのは30.2%(1,536施設/5,089施設)であった。
添付文書の閲覧については「ほとんど見ない・見ない」は29%であった。添付文書に関する満足度は「不満・やや不満」が全体の17%で、既存の添付文書の内容で「充実する必要あり」と回答した項目は操作方法または使用方法等で、「整理する必要がある」と回答があった項目は保守・点検に関する項目であった。「不必要」との回答は臨床成績、承認条件、品目仕様などの項目で多いことが分かった。また輸液セットや三方活栓、シリンジなどの消耗品については紙の添付文書は廃止しても良いとの意見が各職種からあった。自由記載については医療関係者にとって分かりやすい添付文書、内容のある添付文書を望む声が多かった。

考察
医療機器の添付文書については、院内の機器管理部門や医療機器の使用場所で閲覧できる施設が多いこと、添付文書の情報は企業の医療機器情報担当者からの提供が多いことが分かったが、「PMDAで提供している添付文書情報は現状では登録されている添付文書のデータが少ない、」また「当該医療機器メーカーのホームページでの検索ができない」、「データが更新されていない」などの指摘があった。
添付文書に関する自由記載では、①「見やすさ・読みやすさ」の問題点、②記載内容に対する問題点、③添付文書の管理上の問題点などに対する意見が多く見られたことや、添付文書が企業の責任逃れ的な文書との意見もあることから、使用者側に立った添付文書の在り方(誰のための添付文書か)についての検討が必要である。

結論
アンケート調査の結果、医療関係者の添付文書に関する問題意識や認識の現状が把握できた。添付文書の項目で充実すべき項目または整理すべき項目には、操作方法や使用方法に関する項目、保守点検に関する項目が多く、不必要な項目には承認条件、臨床成績、品目仕様が多いことが分かった。

公開日・更新日

公開日
2016-06-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201132058Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,200,000円
(2)補助金確定額
6,771,000円
差引額 [(1)-(2)]
429,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,184,624円
人件費・謝金 499,592円
旅費 784,620円
その他 4,302,164円
間接経費 0円
合計 6,771,000円

備考

備考
印刷費が予定より少なくすんだため。

公開日・更新日

公開日
2015-04-28
更新日
-