医療機器安全情報の電子化推進に関する研究

文献情報

文献番号
201132057A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器安全情報の電子化推進に関する研究
課題番号
H23-医薬・一般-007
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
横井 英人(香川大学 医学部附属病院医療情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 中岡 竜介(国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
3,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は、医療機器安全対策に寄与すべく、医療機器の不具合用語集(本用語集)の完成と、電子報告の推進を目指すことである。
研究方法
1.国内における医療機器の不具合等に関する用語集の検討
日本医療機器産業連合会と合同で、国内の不具合用語の標準化とコード化を行う。
2.国際整合化への取り組み
GHTFに参加し、海外規制当局担当との協調活動における現状を調査する。
3.用語集ハンドリングシステムの改良
ユーザビリティ向上のため仕様を追加し、動作検証を行う。
4.用語集配布体制・配布規格の確立
企業から行政への安全性報告にコーディングシステムを用いた電子報告の実験を行う。その結果を踏まえ、アンケートを実施する。
結果と考察
1.国内における医療機器の不具合等に関する用語集の検討
医療機器は個別的な設計や構造に関連する事象が多く、また、一般的な医学・医療概念として確立しているとは限らず、用語集の汎用性と精密性を一定以上担保することが難しい。したがって、本用語集を集計用のラベル付けとしての位置づけを前提に開発するのが現実的と結論した。
2.国際整合化への取り組み
本研究では、独自の用語定義テーブルの作成と入力システムの構築を目指してきた。会議では、実際に機能する用語集と運用システムを供覧したことへの反響は大きく、今後も、その有用性に理解を得る努力を継続することが重要である。
3.用語集ハンドリングシステムの改良
FDAとISOの用語集にシステムを用いた結果、検索候補の95%が選出でき、スムーズにマッピングが行なえた。
4.用語集配布体制・配布規格の確立
アンケート結果によると、電子報告に対する誤解・知識不足によるものが多い。本研究班は、そのベースとなる電子報告の普及率が上がらないとその効果は不十分である。
結論
 本用語集は、近年の医療機器安全性報告の9割をカバーすることが確認された。用語集と関連するシステムの熟成に従い、電子的な安全性報告への理解が深まったと期待していたが、業界団体の多くが、理解度が低く、また誤った先入観を持つ可能性も示唆された。我々は本研究の熟成を図る一方、電子的報告の必要性の啓蒙活動を積極的に行おうと考えた。
 また後々有用な分析を行えるように用語集を作成するには、多大な労力と精緻な議論、そして成熟した情報学的なノウハウが必要である。今後、このノウハウが十分に普及するような枠組みを検討し続ける予定である。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201132057Z