コンパニオン体外診断用医薬品の臨床性能試験の在り方に関する再帰的研究

文献情報

文献番号
201132052A
報告書区分
総括
研究課題名
コンパニオン体外診断用医薬品の臨床性能試験の在り方に関する再帰的研究
課題番号
H23-医薬・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
池田 正行(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 嶋澤 るみ子(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科)
  • 戸高 浩司(九州大学病院 循環器内科学)
  • 横井 英人(香川大学医学部付属病院 医療情報部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
テーラーメード医療に不可欠なコンパニオン体外診断用医薬品(companion diagnostics 医薬品の有効性・安全性を向上させるバイオマーカーを測定する体外診断用医薬品。以下コンパニオン診断薬と略)の臨床性能試験が科学的・倫理的に適切に実施されるための方策を明らかにし、そのガイドラインと承認審査基準作成に資すること。
研究方法
研究対象資料は規制当局を含めた各国行政機関、学術研究機関、企業等により公開されている文書・資料とした。解析手法としては、資料解析、ナレッジベースの構築とその応用にはテキストマイニングの手法を用いた。
結果と考察
1.コンパニオン体外診断用医薬品を伴う医薬品の承認状況―日米英三極の比較検討―
欧米で承認されながら日本で未承認のコンパニオン診断薬を伴う医薬品の承認審査は2008年以降、急速に進み、今や欧米と比べても、ほぼ遜色のない承認状況となっている。
2.コンパニオン診断薬の審査標準化―コンパニオン診断薬の規制要件の状況調査―
FDA、EMAともコンパニオン診断薬を伴う医薬品(治療用製品)の開発を推進する点は同様であるが、FDAが規制上の承認(許可)要件の理想的原則論を記載しているのに対し、EMAは実際の臨床試験デザインなどの具体的開発方法に重点が置かれている特徴があった。
3.テーラーメード医薬品開発における障壁の検討:医薬品と医療機器にまたがる規制の仕組みを日米欧それぞれの規制の違いに着目し障壁について調査・分析した。いずれの規制当局にもコンパニオン診断薬の問題点は共通しているが、加えて本邦には体外診自体の問題もある。
4.審査過程の明確化を目指した審査報告書のテキストマイニング:本年度は、コンパニオン診断薬の承認審査に関する知識ベースの構築に向けて、まずは、抗癌剤特に分子標的薬の審査報告書を対象にテキストマイニングを試みた。審査報告書の形態素解析やベクトル空間モデル・TF*IDF法による重み付けによって、各分子標的薬の特徴となりうる単語を抽出できた。
結論
本邦における新薬の開発を停滞させないためには、臨床性能試験も含めて指摘済みの問題点に対応するとともにコンパニオン診断薬開発と新薬開発についてのガイドライン案を早急に整備すべきと思われる。今後は、コンパニオン診断薬を含めた体外診断用医薬品自体の開発・承認審査体制の整備が課題となると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132052Z