法規制薬物の分析と鑑別に関する研究

文献情報

文献番号
201132037A
報告書区分
総括
研究課題名
法規制薬物の分析と鑑別に関する研究
課題番号
H22-医薬・一般-016
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究分担者(所属機関)
  • 花尻 瑠理(木倉 瑠理)(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部 )
  • 福原 潔(国立医薬品食品衛生研究所 有機化学部)
  • 河野 徳昭(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター)
  • 代田 修(徳島文理大学 香川薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
6,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では,法規制薬物の内,麻薬・向精神薬取締法及びあへん法など関連4法で厳しく規制される薬物及び,今後これらの法律により規制される可能性の高い薬物を対象とし,同薬物の分析と鑑別に関する研究を行う.
研究方法
 使用した薬物は,主に国立衛研で研究用として合成,入手,保管品及び,麻薬取締部で国庫帰属となり交付を受けた物を用いた.材料植物の収集は,医薬基盤研薬用植物資源研究センターの協力を得た.
結果と考察
 デキストロメトルファン/レボメトルファ投与ラット尿についてNMRを利用したメタボロミクス的アプローチを実施し,スペクトルを多変量解析することにより,全ての尿を薬物と尿の採取時間の違いによって統計学的に別々の群として分類出来ることを示した.JWH-018投与ラット尿及び毛髪を分析し,代謝物の経時変化を実測した.薬物報酬系では学習成立マウスにおいて,MK-801投与で行動量が増加し正答率が低下,メタンフェタミンで行動量が低下し正答率が低下, WIN55212-2では鎮静効果により行動に時間がかかるが正答率は変わらないことが判明した.また,日本で押収された錠剤型麻薬の含有薬物分析を行った.植物関連では,大麻DNA上のTHCAS遺伝子の塩基配列の調査を行った.さらに,大麻種子1粒を用いた産地特定のための遺伝子領域の検討を行い,IGS内の単純反復配列を利用したPCR法による大麻の種内変異の分析法を確立した.また,国内押収大麻の形態観察及びTHC含有量を調査し高THC含有大麻の国内流通を確認した.さらに,大麻代謝物の簡易誘導体化法を検討,尿中代謝物の微量定量を実施した.ケシでは,4'OMT遺伝子の塩基配列を決定,Papaver pseudo-orientale特異的プライマーを利用し近縁植物が識別できることを示した.さらにケシ,アツミゲシ,ヒナゲシ間の識別プライマー及びPCR条件を検討,識別特異性の向上を達成した.サルビノリンA分析のためのイムノクロマトストリップを構築した.さらにカチノンについてハプテンを合成,抗カチノン抗体を取得,カチノン検出競合的ELISAを開発した.
結論
 本研究は,監視指導麻薬対策課と密接な連絡のもと遂行され,その成果は厚生労働省の乱用薬物行政と乱用薬物取締りに直接貢献することになる.

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132037Z