後発医薬品の同等性ガイドラインにおける試験条件の最適化に関する研究

文献情報

文献番号
201132029A
報告書区分
総括
研究課題名
後発医薬品の同等性ガイドラインにおける試験条件の最適化に関する研究
課題番号
H22-医薬・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 柴田 寛子(国立医薬品食品衛生研究所薬品部)
  • 斎藤 博幸(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 岸本 清子(東京都健康安全研究センター医薬品部)
  • 梶村 計志(大阪府立公衆衛生研究所薬事指導部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
4,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生物学的同等性試験ガイドラインでは、溶出試験部分を中心に産官学で議論し、平成24年2月に改訂版が出された。本研究では、改定に伴って検討すべき課題を取り上げると共に、今後のガイドライン改定に必要と思われる特殊な製剤の評価法などを検討する。
研究方法
溶出試験における界面活性剤使用の最適化にむけた検討、リポソーム製剤に関するEMAのリフレクションペーパーの検討、リポソーム製剤の放出試験に関するFDAの内包薬物の放出試験条件の検討、表面電位測定によるリポソーム表面固定水和層の厚さの評価,リポソーム膜内外層間の分布や表面被覆率,PEG鎖コンフォメーションなどに関する蛍光分光学的評価を行った.さらに、経皮吸収型製剤等に関する放出試験法のドラフトの改訂、坐剤の放出試験法に関する基礎的検討を試みた。改訂された生物学的同等性ガイドラインの変更点を明らかにすると共に、すべての文書を英訳した。

結果と考察
経口製剤の溶出性におけるSDSやポリソルベートの影響の検討では、SDS試薬のpHの違いが溶出挙動に影響を及ぼす可能性が示唆され、界面活性剤の可溶化能は医薬品特性やpHに大きく依存し、試験液ごとに検討が必要と思われた。EMAの後発静脈注射用リポソーム製剤の要求データに関するリフレクションペーパーでは、徹底的な薬物動態や組織分布の特性解析が必要とされた。
蛍光標識PEGリン脂質を用いた測定により,pre-mixed法とpost-insertion法におけるPEGリン脂質挿入効率やリポソーム膜内外層でのPEGリン脂質の分布を評価することが可能となった.ヒト血漿50%溶液中へのDOXILの分散では、37℃で48時間でも薬物放出率は10?20 %程度であったが、超音波照射では20分以内にはほぼ100%放出した。皮膚に適用する製剤の放出試験法はパドル法とシリンダー法を作成し、さらに拡散セル法を加えて最終案とすることとした。坐剤の放出性では、熱的性質を狭くコントロールすることで、放出の制御が可能であることが示唆された。36℃で坐剤の放出性が異なることが、有効性に影響を及ぼさないかどうか検証する必要がある。
結論
本研究の成果は、経口固形製剤の同等性試験ガイドライン、局所皮膚適用製剤のガイドラインの運用に役立ち、新たな特殊製剤の評価法のガイドライン作成にも有用である。ガイドラインの英文版は諸外国への周知に有用である。

公開日・更新日

公開日
2015-06-29
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132029Z