国際協調を重視した化粧品・医薬部外品における安全性試験法の再評価に関する研究

文献情報

文献番号
201132026A
報告書区分
総括
研究課題名
国際協調を重視した化粧品・医薬部外品における安全性試験法の再評価に関する研究
課題番号
H22-医薬・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小島 肇(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 薬理部 新規試験法評価室)
研究分担者(所属機関)
  • 大野泰雄(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 松永佳世子(藤田保健衛生大学医学部皮膚科)
  • 杉浦伸一(名古屋大学医学系研究科医療システム管理学寄付講座)
  • 杉山真理子(日本化粧品工業連合会 技術委員会 動物実験代替専門委員会)
  • 山本直樹(藤田保健衛生大学共同利用研究施設 分子生物学・組織化学)
  • 杉林堅次(城西大学薬学部 薬粧品動態制御学教室)
  • 尾上誠良(静岡県立大学 薬学部 薬物動態学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
7,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
化粧品・医薬部外品のための安全性試験の中で、まだ動物実験代替法(以下、代替法と記す)が未開発の分野を中心にin vitro試験の開発を進めた。また、安全性の確認試験であるヒト使用試験の指標についても検討した。
研究方法
開発を進めている試験法については、1)眼刺激性試験においては、遺伝子導入で得られた角膜形質発現細胞を用い、簡便で安価な評価法について検討した。2)光毒性試験においては、活性酸素種産生能を指標とした試験(ROSアッセイ)のバリデーションを実施した。さらに、適用限界の一つである非水溶性物質に関する試験法の改良案を検討した。3)培養表皮または皮膚モデルを用いた皮膚透過性試験について研究・開発した。4)培養表皮モデルを用いた皮膚刺激性試験の追加バリデーションおよび眼刺激性試験代替法であるSIRCアッセイのバリデーションを実施した。
また、ヒト使用試験においては、携帯電話を用いて、使用者から有害性情報を入手し、適切な対処ができるシステムを検討した。これらの検討に加え、欧米で開発される試験法の情報収集を入手しながら、国際協調を重視し、医薬部外品・化粧品の安全性評価に代替法を取り入れるべく議論した。
結果と考察
開発を進めている試験法については、1)眼刺激性試験においては、遺伝子導入で得られた角膜形質発現細胞を用い、細胞毒性よりも高感度な指標を明らかにした。2)光毒性試験においては、ROSアッセイのバリデーションの結果、施設内間の再現性及び予測性共に良好であったが、幾つかの適用限界を明らかにした。この適用限界の一つである非水溶性物質に関する試験法の改良案を開発できた。3)皮膚透過性試験については、皮膚抵抗モデルによる皮膚中濃度の算出は、ある物質の有効性や安全性を予測する上で有用であること、培養皮膚モデルを用いた試験では、実皮膚と比較して、皮膚刺激性や有効性物質が偽陽性となる可能性が示唆された。4)培養表皮モデルを用いた皮膚刺激性試験の追加バリデーションを実施し、適切なプロトコルの改良がなされた。また、ヒト使用試験おいては、携帯メールによる副作用情報収集システムを用いた臨床試験は有用かつ実用的であった。

結論
化粧品・医薬部外品のための安全性試験として、眼刺激性、光毒性、皮膚透過性及び皮膚刺激性に関するin vitro試験の開発・バリデーションを順調に進めることができた。携帯メールによる副作用情報収集システムを用いたヒト使用試験は、有用かつ実用性があると結論した。

公開日・更新日

公開日
2013-05-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132026Z