レセプト等を利用した薬剤疫学データベース作成に関する研究

文献情報

文献番号
201132019A
報告書区分
総括
研究課題名
レセプト等を利用した薬剤疫学データベース作成に関する研究
課題番号
H21-医薬・一般-022
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
椿 広計(情報・システム研究機構 統計数理研究所 データ科学研究系)
研究分担者(所属機関)
  • 折井 孝男(NTT東日本関東病院)
  • 久保田 潔(東京大学医学部)
  • 岡本 悦司(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成22年度までに実施した医薬品の市販後安全対策へのレセプトの活用可能性研究の評価・検証を行うことを目的とした。
研究方法
平成22年度まで実施した民間企業保有レセプトデータベースを用いた医薬品使用と有害事象発生との薬剤疫学的検討を引き続き行ない、研究結果の精度向上のために更なる改善の余地がないかを検討した。平成22年度までに実施した方法論の検討について、ナショナルレセプトデータベースを用いて薬剤疫学的方法で検討することを計画した。
結果と考察
ナショナルデータベース使用申請については、探索的研究のため却下されたため、本研究班終了後の研究課題とした。
JMDCから追加有償提供を受けた5年分の40歳以上のレセプトデータを用いたネステッド・ケースコントロール研究については、平成22年度研究の結果が再現し、概ね4年間の研究で観察期間は十分であることが示された。
結論
医薬品使用と有害事象発生との関連における薬剤疫学研究が、精度の高い仮説形成、仮説強化研究となるためには、対象とする医薬品及び緻密な定義の有害事象との関連がより適切に検討できるデータベースを用いること、また、そのようなデータベースを作成することの重要性が示された。
ナショナルデータベースの活用については、今後、厚生労働省が探索的研究の実施も可能にする「基本データセット」を作成することとなったので進展を期待したい。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201132019B
報告書区分
総合
研究課題名
レセプト等を利用した薬剤疫学データベース作成に関する研究
課題番号
H21-医薬・一般-022
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
椿 広計(情報・システム研究機構 統計数理研究所 データ科学研究系)
研究分担者(所属機関)
  • 折井 孝男(NTT東日本関東病院)
  • 久保田 潔(東京大学 医学部)
  • 岡本 悦司(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、医薬品の市販後安全対策へのレセプトの活用可能性を実際のデータを用いて検討するとともに、活用に必要な方法論の検討、海外の利用状況などの調査を通じて明らかにすることを目的とする。
研究方法
日本医療データセンターから提供されたレセプトデータを統計解析可能な状態に整備し、薬剤重複処方、併用禁止薬剤の併用処方、薬剤と有害事象との関連性を薬剤疫学的方法で検討した。薬剤と有害事象発生の関連についネステッド・ケース・コントロール研究を用いて、高脂血症用薬使用と横紋筋融解症発生、抗精神病薬使用とパーキンソン病発生、抗精神病薬使用と糖尿病発生、消化性潰瘍用剤使用と骨折発生との関連を検討した。また、医療情報データベースと匿名化識別子を用いたレセプトデータとの連結可能性の検討を行った。また、米国、韓国、台湾における医療費請求データに関する情報、データベース活用の動向を調査した。
結果と考察
薬剤疫学的研究結果がデータベースの特性によって、より大きな影響を受けるため、精度の高い仮説形成、仮説強化研究とするためには、対象とする医薬品使用と緻密な定義の有害事象をデータベースの特性に合わせて設定すること、あるいは、その関連がより適切に検討できるデータベースを作成することの重要性が示された。大規模な医療施設において、ハッシュ関数による匿名化識別子を用いたレセプトデータと医療機関側の医療情報データベースとの連結が可能であることを実証した。諸外国の状況等と比較して、わが国では社会的に十分機能する各国民に固有の識別子は存在せず、また、保険者の数が多数であり、それらのほとんどは、データの二次的利用の経験を有していないことが明らかになった。
結論
招待的に、ナショナルレセプトデータベース情報が市販後医薬品の恒常的安全対策を支える情報基盤となることが示された。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201132019C

成果

専門的・学術的観点からの成果
レセプトデータによる医薬品安全性研究の方法論としてネスティッド・ケースコントロールが有効であることを示すとともに、大規模な医療施設において、ハッシュ関数による匿名化識別子を用いたレセプトデータと医療機関側の医療情報データベースとの連結が可能であることを確認した。
臨床的観点からの成果
レセプトデータベースからの、探索的解析を通じて、特定の領域の薬剤について重複処方や併用禁止薬剤の重複処方が見いだせるとともに、改善の余地はあるがシグナル検出も可能であることがしめされた。
ガイドライン等の開発
特になし。ただし、ナショナルレセプトデータベース申請については探索的解析は棄却されたことを通じて、この種の薬剤疫学的研究に資する標準データセットが開発されることとなった。
その他行政的観点からの成果
特になし。
その他のインパクト
特になし。

発表件数

原著論文(和文)
3件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
4件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
9件
学会発表(国際学会等)
3件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132019Z