患者から副作用情報を受ける方策に関する調査研究

文献情報

文献番号
201132018A
報告書区分
総括
研究課題名
患者から副作用情報を受ける方策に関する調査研究
課題番号
H21-医薬・一般-021
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
望月 眞弓(慶應義塾大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 土橋 朗(東京薬科大学 薬学部)
  • 岡崎 光洋(北海道薬科大学 )
  • 久保田 潔(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 山本 美智子(鈴鹿医療科学大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、患者からの副作用報告を効果的・効率的に収集し、得られた情報を蓄積・活用する方法について研究を行うを目的とする。本年度は、収集システムのブラッシュアップと活用に関して検討を行った。
研究方法
平成23年1月から開始したWebによる患者副作用報告システムにおいて、開始後6ヶ月の前期報告データの中間解析を行い、副作用イベントの発生情報を有効利用するため、質問の内容・順序やデータ項目の変更等の改修を行った。後期は、改修したシステムを用いて、収集を行い、副作用報告におけるシステム改修の効果を評価した。また、試行期間に集積された全副作用情報について基礎的解析、より正確な副作用情報を患者から取得するための質問項目の検討、患者からの副作用報告の薬剤師の聞き取りによる変化に関する調査、患者の詳細情報調査に対する担当医師の意識調査、および報告者の本システムに対する見解や経験に関するアンケート調査を行った。さらに、収集したデータの処理・解析方法についても検討した。
結果と考察
その結果、構築したWebシステムついて、医薬品服用日と副作用発現日の時間関係が正確に入力できるよう改修した新入力フォームを用いることによって、患者から適切に副作用報告を収集できることが確認された。また、入力の容易さ等の使用感についても満足できる結果が得られた。詳細情報の確認の可否について、報告患者の担当医師から協力的な回答が得られた。副作用の報告者へのアンケートから、報告様式や報告後のフィードバックに多少の改善を望みつつも、本取り組みを好意的に受け止めていると考えられた。ただし、相談対応や情報のフィードバックへの期待の声が多く寄せられたことから、こうした対応に向けた体制整備も検討すべき課題と考える。また、収集された副作用報告を有効活用するためには、報告された副作用症状のMedDRAコード化や医薬品の分類などによる整理を行うことが必要である。さらに自由記述文についてはテキストマイニングなどによる効率的な分析をすることも有用と考えられる。国民から幅広く、積極的に副作用報告を収集するためには本報告システムの国民の認知度を高める必要がある。
結論
システムの入力項目の改修により、使用感も良好で、副作用情報も的確な内容の情報が収集できることが確認された。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201132018B
報告書区分
総合
研究課題名
患者から副作用情報を受ける方策に関する調査研究
課題番号
H21-医薬・一般-021
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
望月 眞弓(慶應義塾大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201132018C

成果

専門的・学術的観点からの成果
患者からの副作用自発報告を収集するシステムについて検討した結果、被疑薬名、アウトカム情報、使用開始日および中止日、副作用発現時の使用状況、併用薬、合併症などの項目を有する必要があること、Webシステムが効率的であることが明らかとなった。情報の正確性を上げるために、副作用の種類と発現時期、その時期に使用していた医薬品が対応して入力できるよう様式を改良し、精度の高い情報の入手が可能となった。
臨床的観点からの成果
医薬品の副作用を早期に検出するためには、多くのチャネルから自発報告を集めることが有効であると言われており、今回、これまでの医療関係者や製薬企業からの自発報告に加えて、患者からの自発報告を受けることが実現できることになり、医薬品の安全対策に極めて有用な情報が得られると考えられる。
ガイドライン等の開発
該当しない
その他行政的観点からの成果
2011.6.20.開催の厚生科学審議会「医薬品等制度改正検討部会」において研究成果の中間報告を行った。さらに2012.3.26.には医薬品医療機器総合機構が、本研究の成果をもとに「患者用副作用報告システム」の試行を開始した。
その他のインパクト
1)研究成果報告会、2012.3.26.於 慶應大薬学部、2)NHK「ITホワイトボックス」第7回放送「ITが導く“みんなの医療”」2012.5.15.放送、3)読売新聞「医療ルネサンスNo.5321副作用情報」2012.5.8.朝刊

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
橋口正行、望月眞弓:患者から副作用情報を受けるシステムの構築と活用.医薬ジャーナル 新薬展望2012,48(S-1),44-55,2012
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
7件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
医薬品医療機器総合機構における試行の開始
その他成果(普及・啓発活動)
4件
新聞2回、公共放送1回、厚生労働省配布資料1回、薬局店頭でのポスター貼付1回

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132018Z