GMP査察手法等の国際整合性確保に関する研究

文献情報

文献番号
201132007A
報告書区分
総括
研究課題名
GMP査察手法等の国際整合性確保に関する研究
課題番号
H21-医薬・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 櫻井信豪(医薬品医療機器総合機構)
  • 檜山行雄(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 木納康博(医薬品医療機器総合機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
欧米諸国及び国際団体の医薬品GMP査察手法並びに査察管理手法の調査・分析等を行い、国際調和された医薬品GMP査察手法を開発するとともに、我が国における査察管理体系の提案を行う。我が国における、溶出試験器の機械的校正のガイドライン案を提案するとともに、USPの標準錠剤の有用性を共同検定で調査する。
研究方法
ドイツの査察調整機関であるZLGへの訪問、南アフリカにおけるPIC/Sセミナー参加、欧州EMA訪問などを通じ海外査察当局の実情を調査した。 公的試験機関の管理の要件を、PIC/S、EDQMの要件を調査して提案し、試験機関における品質マニュアルおよび手順書作成の準備を行う。品質マニュアルなどの査察システムの上位方針・手順書案を作成する。溶出試験器の機械的校正ガイドライン案を、我が国の溶出試験器メーカーの校正用ツールの有無等の実情を調査して改訂した。プレドニゾン標準錠剤を用いる共同検定では、地方衛生研究所15機関の参加により、パドル法と回転バスケット法について有用性を検討した。

結果と考察
海外の調査当局への訪問・聞き取り調査をまとめると共に、PMDAの協力の下、各地衛研および国立衛研に応用可能な品質マニュアルのひな型を作成した。調査当局会議における調査要領の作成に貢献した。溶出試験機器メーカーでは、機械的校正の準備が整っており、従来から用いられてきた、パドル及びバスケットの深さを測る交差ボールを使用可能な記載とするなどの改訂をおこなった。USPプレドニゾン標準錠剤の共同検討では、適合した機関のデータも許容範囲内全体に広がっており、有用性は疑わしかった。
結論
医薬品関連の試験品質システムのためには、県単位のブロックを構成し、ブロック内の有力機関が他県の検体を引き受けるなどの対応が必要である。その上で、SOPひな型を使ったシステムの再構築が必要である。我が国のPIC/Sへ加盟申請の審査は訪問による評価が行われるが、組織上位者による管理体制が実行されることが期待される。
溶出試験器の機械的校正の標準法案を改訂し、公開を目指すこととした。プレドニゾン標準錠剤につき、許容範囲に入らなかった機器に関して、機械的校正を再度実施し、その影響を明らかにする予定である。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

文献情報

文献番号
201132007B
報告書区分
総合
研究課題名
GMP査察手法等の国際整合性確保に関する研究
課題番号
H21-医薬・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 櫻井信豪(医薬品医療機器総合機構)
  • 檜山行雄(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 木納康博(医薬品医療機器総合機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
欧米諸国及び国際団体の医薬品GMP査察手法並びに査察管理手法の調査・分析等を行い、国際調和された手法開発、我が国における査察管理体系の提案を行う。経口固形製剤の製法変更の生物学的同等性試験指針案を提案する。溶出試験器の機械的校正のための指針となる文書を作成する。
研究方法
外査察当局の実情調査を継続しつつ、国際団体GMPガイドラインと我が国のGMP省令との差異を概観し課題を同定した。『GMP調査強化検討会』からの議論を踏まえ日本における査察団体間の調整機能を提案した。公的試験機関の管理要件をPIC/S、EDQMの要件を調査して提案する。又、試験機関における品質マニュアルおよび共通使用が可能な手順書作成の準備を行なう。医薬品の製法に関わる規制の大きな変化を踏まえて改訂し、パブリックコメントを経て、最終的に「経口固形製剤の製法変更の生物学的同等性試験指針(案)」及びQ&A(案)を作成する。我が国で適用可能な溶出試験器の機械的校正の標準法案を作成する。
結果と考察
日本の査察システムの国際基準へのレベルアップを達成するためには、調査権者間の品質システムの共通化、GMPガイドラインの継続的アップデート、継続的トレーニングの立案、国際整合性に関する情報入手と調査権者への情報提供、常任の連携組織が必須である。PIC/Sに対応する品質システムでは、都道府県によっては医薬品検査が可能な公的機関がない場合もあり、複数県でブロックを構成し、有力機関が他県の検体を引き受けるなどの対応が必要である。経口固形製剤の製法変更の生物学的同等性試験指針案の作成に関しては、パブコメを経て最終案とした。溶出試験機器メーカーの対応が十分可能となっていると判断されたため、FDAの機械的校正のガイダンス及びASTMの溶出試験装置の適合性試験の標準的方法を参考に、我が国で適用可能な溶出試験器の機械的校正の標準法案を作成した。

結論
査察システムを国際基準にレベルアップするためには、調査対象施設数の少ない調査権者の体制整備方法を検討し、調査要領とPIC/Sシステム要件との整合を図った調査体制を整えることが必要である。GMP調査の実効性を向上させ、医薬品の品質確保の一翼を継続的に担うために、システム自体の稼働状況を常に評価し、改善していくことが求められる。
経口固形製剤の製法変更の生物学的同等性試験指針案及びQ&A案、我が国で適用可能な溶出試験器の機械的較正の標準法案は早期の通知を目指すことが望ましい。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201132007C

成果

専門的・学術的観点からの成果
GMP調査に関する協力の枠組みを定めている協会(PIC/S)への加盟をめざす中で,欧米諸国及び国際団体との整合のための問題点を洗い出し,国際調和された医薬品GMP査察手法を開発し,我が国における査察管理体系の提案を行った.公的試験機関群がGMP査察のための品質システムの構築が必須であるため,試験機関管理の要件,共通の品質マニュアルの構築を提案した.経口固形製剤の製法変更の生物学的同等性試験指針案及びQ&A(案)を完成した.溶出試験器のメカニカルキャリブレーションのガイドライン案を作成した.
臨床的観点からの成果
特になし.
ガイドライン等の開発
現在のところ特になし.薬局方参考情報等に収載の場合,薬局方部会で審議する予定.
その他行政的観点からの成果
我が国のPIC/S加盟の実現ための基本的な要件の整備に重要な役割を果たした.
経口固形製剤の製法変更の生物学的同等性試験指針案及びQ&A(案),並びに溶出試験器のメカニカルキャリブレーションのガイドラインの作成により,我が国の経口固形製剤の品質確保に重要な基盤を築いた.
その他のインパクト
PIC/S加盟に当たって,共通の査察手法の共有化,公的試験検査機関の備えるべき要検討を明確化し,医薬品品質システムのグローバル化に貢献した.
経口固形製剤の製法変更の生物学的同等性試験指針案及びQ&A(案)を示すことにより,経口固形製剤の品質の維持管理に貢献する.溶出試験器のバリデーションの指針を設定することにより,溶出試験結果の精度保証を目指すことが可能となる.

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2018-06-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132007Z