食中毒調査の精度向上のための手法等に関する調査研究

文献情報

文献番号
201131046A
報告書区分
総括
研究課題名
食中毒調査の精度向上のための手法等に関する調査研究
課題番号
H23-食品・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 春日 文子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 小沢 邦寿(群馬県衛生環境研究所 )
  • 砂川 富正(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 野田 衛(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 徳田 浩一(東北大学病院 感染管理室)
  • 杉下 由行(東京都健康安全研究センター 疫学情報室)
  • 窪田 邦宏(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 八幡 裕一郎(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 脇田 隆字(国立感染症研究所 ウイルス第2部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食中毒調査の精度向上を図り、我が国の食品安全を支える疫学的根拠を強化することを目的とする。本研究では、1)食中毒の原因となる食品の寄与率(アトリビューション)の推定方法の検討 2)広域食中毒疫学調査ガイドライン作成 3)腸管出血性大腸菌感染症に併発した脳症患者の発生状況の把握 4)食中毒の発生状況及びその原因の推定方法の検討 5)ノロウイルスの分子疫学的情報収集及び活用の検討を行った。
研究方法
インターネット調査を活用した症例対照研究、食中毒統計を用いたアトリビューションの推定、NESIDからのデータ抽出および疫学データの集計と解析、食中毒事例調査による東日本大震災の影響の推定、モンテカルロシミュレーション法による食品由来急性下痢症実患者数の推定、ベロ毒素遺伝子検出キット及び免疫磁気ビーズ法による大腸菌等の分離、51地研から食品媒介事例の塩基配列データを中心に登録されたデータからの系統樹の作成、NoV、SaVのCaliciWebに登録された国内分離株の発生動向の把握および分子疫学解析を行った。
結果と考察
本研究で構築中の広域食中毒事例の対応ガイドラインおよびアトリビューション調査は国ならびに自治体での食品監視指導計画等作成のための基礎知見として活用できる。また、広域散発食中毒事例に対する疫学調査手法の向上は、広域に流通する共通原因食品をいち早く特定することによって、広域食中毒事例の拡大を早期に防止して患者発生を最少に抑え、類似事例の再発を予防することを可能とする。本研究で開発した、インターネット調査を利用した症例対照研究は、我が国における食中毒対策の有用なツールであり、世界的にもその有用性を示すことが期待でき、より簡便かつ迅速な食中毒原因究明の手段として活用できる。国のみならず自治体における広域散発事例食中毒調査への活用検討することで、日常的な食中毒調査手法の改良に大きく貢献することができる。また、本研究の成果に関してWHOの疫学調査にも還元し、国際貢献にも資することができる。
結論
本研究の成果は食中毒事例の調査、食品媒介広域食中毒散発事例対応、食品のアトリビューション算出などのガイドラインを作成することで全国規模だけでなく、各自治体での原因食品の特徴把握に応用する可能性を検討し、広域食中毒事例探知手法の応用、同一データベースの活用が期待される。

公開日・更新日

公開日
2012-06-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201131046Z