検査機関の信頼性確保に関する研究

文献情報

文献番号
201131038A
報告書区分
総括
研究課題名
検査機関の信頼性確保に関する研究
課題番号
H23-食品・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小島 幸一(財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 尾花 裕孝(大阪府立公衆衛生研究所)
  • 中澤 裕之(星薬科大学)
  • 斉藤 貢一(星薬科大学)
  • 村山 三徳(社団法人日本食品衛生協会 食品衛生研究所)
  • 鈴木 達也(財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
30,480,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品の安全性確保のために精度管理システムの整備ならびに精度管理のための適正試料の作製を検討し、食品衛生検査機関から提出される検査成績の信頼性確保を一層充実させることを目的とした。
研究方法
加工食品の残留農薬分析では、ポークビーンズに農薬を添加して作製した調査試料を作製し、8機関を対象に外部精度管理調査を行った。均一化した調査試料および分別した原材料について検査を行い、食品規格への適合について判定した。マイコトキシン検査では、デオキシニバレノールに対するELISAの分析バリデーションについて検討した。残留有害物質では、めんつゆを試料として用いた際の前処理方法について、3種を用いて検討した。適正試料の作製では、理化学では牛肉を用いたサルファ剤の均一性、微生物では基材中でのセレウス菌、ビブリオ属菌の安定性について確認した。アレルギー検査では、甲殻類を対象とした精度管理調査を、組換えDNA食品では害虫抵抗性遺伝子組換えコメを対象とした外部精度管理調査結果について、試料および検出系に分けてまとめ、試料ごとに正答率を算出した。
結果と考察
加工食品の残留農薬分析では、参加した協力機関は、加工食品中の農薬分析で、加工食品から分別した原材料を分析し、その結果に基づいて、食品規格への適否を適切に判定する能力を有することが認められた。マイコトキシン検査では、ELISA法の分析精度が担保され、スクリーニング領域において有用であることが考えられた。残留有害物質では、試料の前処理方法について検討を行い、簡便な方法での前処理とスクリーニング法としての有用性について示した。適正試料の作製における理化学検査では、残留動物用医薬品検査において部位により均一性、回収率が異なることが明らかとなった。微生物学検査では、セレウス菌検査において温度変化に強い試料を作製することができた。ビブリオ属菌検査についてはより一層の安定性について確保する必要がある。アレルギー検査では、一部の基材において甲殻類を検出することができなかったが、概ね良好な結果が得られた。組換えDNA食品では、害虫抵抗性遺伝子組換えコメを対象とした外部精度管理結果から、検出系に差がないことが明らかとなった。
結論
加工食品における農薬分析の適否判断およびかび毒検査における試験法の有用性などが検証され、さらに適正な外部精度管理調査試料の開発を進めることができた。

公開日・更新日

公開日
2012-05-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201131038Z