文献情報
文献番号
201131020A
報告書区分
総括
研究課題名
食品中残留農薬等の急性暴露評価及び汚染実態把握に関する研究
課題番号
H22-食品・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
米谷 民雄(静岡県立大学 食品栄養科学部)
研究分担者(所属機関)
- 吉池 信男(青森県立保健大学 健康科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
8,160,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
1)残留農薬基準値はADIを基に設定されるが、JMPRや食品安全委員会では1日内に摂取しても健康影響がない急性参照用量(ARfD)も評価している。そこで、短期経口暴露量の試算を試みた。
2)厚労省の農薬摂取量調査はマーケットバスケット法を採用しているが、各食品群内で多食品を混合し分析するため、効率的だが殆ど農薬は検出されず、安全は確認されるが残留実態は不明である。そこで、残留農薬の摂取で重要な食品や、加工で農薬消長が考えられる食品につき、個別食品での残留実態を調査した。
2)厚労省の農薬摂取量調査はマーケットバスケット法を採用しているが、各食品群内で多食品を混合し分析するため、効率的だが殆ど農薬は検出されず、安全は確認されるが残留実態は不明である。そこで、残留農薬の摂取で重要な食品や、加工で農薬消長が考えられる食品につき、個別食品での残留実態を調査した。
研究方法
1)JMPRでARfDが設定され国内登録がある農薬につき1点推計法で試算した。また、確率モデルによる暴露量推計法を検討するため、アセタミプリドを例として、JMPR資料から作残試験データを抽出し試算した。
2)卸売市場品で柑橘類、直売所で柑橘類・野菜類を購入し分析した。農薬の消長試験では茶を選び、生葉、各種製造茶、茶浸出液について分析した。
2)卸売市場品で柑橘類、直売所で柑橘類・野菜類を購入し分析した。農薬の消長試験では茶を選び、生葉、各種製造茶、茶浸出液について分析した。
結果と考察
1)試算結果では、ビフェントリン(260%;ブドウ、他)、カズサホス(260%;ゴボウ)、ジメトエート(170%;パイナップル)、ジスルホトン(550%;スイカ、他)、フェンピロキシメート(180%;ブドウ、他)でARfDを超えた。
確率モデルの検討結果では、用いる作残データが暴露量試算に大きな影響を与えた。
食品中化学物質の暴露評価では、乳児を対象とした研究論文は3件しかなかった。
2)卸売市場の柑橘類43試料中35試料から68農薬が検出されたが基準値超はなく、ADIと摂食量からは問題ないレベルであった。試料当たりの検出数で国産と外国産で差が認められた。メチダチオン等の有機リン剤が検出農薬の約4割を占めた。
直売所品ではいずれも残留レベルは低く、最高値でも基準値の約1/9であった。
茶加工による消長試験では、発酵時間や加熱時間が長いほど、また茶葉への熱伝導率が高いほど、農薬の減少率が高く、また、飲茶では殆ど農薬の移行は認められなかった。
確率モデルの検討結果では、用いる作残データが暴露量試算に大きな影響を与えた。
食品中化学物質の暴露評価では、乳児を対象とした研究論文は3件しかなかった。
2)卸売市場の柑橘類43試料中35試料から68農薬が検出されたが基準値超はなく、ADIと摂食量からは問題ないレベルであった。試料当たりの検出数で国産と外国産で差が認められた。メチダチオン等の有機リン剤が検出農薬の約4割を占めた。
直売所品ではいずれも残留レベルは低く、最高値でも基準値の約1/9であった。
茶加工による消長試験では、発酵時間や加熱時間が長いほど、また茶葉への熱伝導率が高いほど、農薬の減少率が高く、また、飲茶では殆ど農薬の移行は認められなかった。
結論
1)1点推計法の試算では過大となる要因が複数あるが、ARfDを超過する可能性が見いだされた。次年度に残留基準値(案)の妥当性について検討予定である。
2)柑橘類を中心に分析したため、有機リン剤が多く検出されたが違反品はなく、残留レベルも低かった。
2)柑橘類を中心に分析したため、有機リン剤が多く検出されたが違反品はなく、残留レベルも低かった。
公開日・更新日
公開日
2012-05-28
更新日
-