石綿関連疾患の診断基準及び手法に関する調査研究

文献情報

文献番号
201130014A
報告書区分
総括
研究課題名
石綿関連疾患の診断基準及び手法に関する調査研究
課題番号
H23-労働・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岸本 卓巳(独立行政法人労働者健康福祉機構岡山労災病院 アスベスト関連疾患研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 青江 啓介(独立行政法人国立病院機構山口宇部医療センター)
  • 芦澤 和人(長崎大学病院 がん診療センター)
  • 荒川 浩明(獨協医科大学病院 放射線科)
  • 荒木 雅史(独立行政法人労働者健康福祉機構香川労災病院 内科)
  • 伊藤 秀美(愛知県がんセンター研究所 疫学・予防部)
  • 井内 康輝(広島大学大学院医歯薬学総合研究科 病態情報医科学講座病理学研究室)
  • 岡本 賢三(独立行政法人労働者健康福祉機構北海道中央労災病院 検査科)
  • 加藤 勝也(岡山大学病院 放射線科)
  • 玄馬 顕一(独立行政法人国立病院機構福山医療センター 呼吸器内科)
  • 林 清二(独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター)
  • 藤本 伸一(独立行政法人労働者健康福祉機構岡山労災病院 呼吸器内科)
  • 水橋 啓一(独立行政法人労働者健康福祉機構富山労災病院 アスベスト疾患センター)
  • 由佐 俊和(独立行政法人労働者健康福祉機構千葉労災病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
12,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
石綿ばく露者に発生頻度の高い肺がん、中皮腫の早期診断のためCT検診が有用かどうか検討する。石綿肺の正確な診断のための画像所見について信頼性の高い所見を画像および病理学的に明らかにする。
研究方法
現在・過去に職業性石綿ばく露歴のある労働者の検診方法として腹臥位低線量CTが肺がん、中皮腫の早期診断に有用であるか検討する。また、画像上胸膜プラーク、肺線維化の有無が肺がん発生頻度と関連があるかについても検討した。石綿肺の臨床、画像、病理の総合的な評価を行うため、典型的石綿肺5症例について画像上subpleural dotsおよびcurvilinear lineと診断できる部位と同じ部位をCT断して病理組織学的に検討した。さらに5例の肺内石綿小体数を算定した。また、臨床上石綿肺とされた3例について石綿肺と診断してよいかどうか検討した。
結果と考察
低線量CT検診を施行した1,503例中80例の肺がん疑い例と20例の肺がん確定診断例があった。また、胸膜中皮腫2例も確定診断された。胸膜プラークや肺の線維化症例に肺がん発生頻度が高い傾向はなかったが、今後症例を増やして検討する必要がある。一方、石綿肺に特徴的なsubpleural dots、curvilinear shadowsがどのような所見であるか明確に規定でき、それが病理学的に石綿肺に特徴的な細気管支中心性の線維化であることが判明した。これら症例の肺内石綿小体数は70万本/gから767万本/gと超大量の吸入が明らかとなり、石綿肺発生にはこのような石綿吸入が必要であることが窺われた。この所見を基にすると臨床上石綿肺であると診断された症例を典型例、非典型例、石綿肺でない例に分類することができた。今後、このような方法で石綿肺の正確な診断が可能かどうか類似症例についてもさらに検討する予定である。
結論
石綿ばく露者では一般人に比較して肺がん発生頻度が高いことから低線量CT検診を行うことは有用である可能性が示唆された。また、石綿肺の際に認められるsubpleural dots、curvilinear linesの定義が明らかとなったため、石綿肺の正確な診断に際してこの所見を使用することが有意義であると思われた。

公開日・更新日

公開日
2012-06-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201130014Z