医師等による就業上の措置に関する意見のあり方等についての調査研究

文献情報

文献番号
201130008A
報告書区分
総括
研究課題名
医師等による就業上の措置に関する意見のあり方等についての調査研究
課題番号
H22-労働・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究分担者(所属機関)
  • 大久保 靖司(東京大学 安全環境本部)
  • 安部 治彦(産業医科大学 医学部)
  • 藤野 善久(産業医科大学 医学部)
  • 茅嶋 康太郎(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 立石 清一郎(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,950,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
事業者が適切な就業上の措置を実施できるよう、医師等による就業上の意見のあり方等について検討を行うとともに、就業上の措置に関する適切な手順、エビデンスに基づく参考基準および実情にあった運用等に関する一定の指針を示すことを目的とした。
研究方法
5つの分担研究を行った。a)産業医が実施する就業措置の文脈に関する質的調査を行い就業措置の目的の多様性を整理した。b)専属産業医の就業措置の実施に関する聞き取り調査を実施した。c)50人未満の小規模事業場における健康診断就業判定の方策について調査して事業場規模や医師の立場による関わりの違いや医師の確保を検討した。d)ICDデバイス植込み・失神およびてんかん患者における自動車運転制限の現状調査を行った。e)心臓突然死と一過性意識消失のリスク評価についての考察を行い、健康状態に応じた個別的な対応のあり方について検討した。
結果と考察
a)就業措置は、目的によって5つの類型が存在することが示唆された。これらの類型について、特徴や課題について検討した。b)就業上の措置の基準を整備している事例は多くなく、また産業医が就業上の措置の判断の根拠としているのは社内基準、臨床ガイドライン等の他、産業医としての経験との回答が多かった。c)企業外労働衛生機関が産業医契約のない小規模事業場の労働者の判定を行うためには、ある程度職場の状況が把握できることなどの条件が必要であること、小規模事業場の就業判定実施率を上げるためには予め判定医師を指名しておく等の法令の整備が必要性であることなどが挙げられた。d)ICD植込み・てんかんおよび失神は自動車運転制限を検討する必要があるが、実際に制限が必要か否かは治療経過によるため、適切な制限を行う為には主治医の判断が重要であることが明らかであった。e)循環器疾患では疾患毎の臨床ガイドラインにおいて、明確に心臓突然死や脳血管疾患のリスク因子が示してあり、就業措置が必要な疾患において、「リスク評価」を臨床医と産業医の両者が共有することは有益と考えられた。f)研究成果の中間まとめとして、「就業上の措置を適正に行うための手引き(案)」を作成した。
結論
事業者が就業上の措置を適正に行うために、「意見を述べる医師の確保」、「医師の意見の機会」、「就業上の措置の目的」等の項目に関して、「産業医等が事業者に対して適切な就業上の意見を述べるために必要な事項(提言案)」を作成した。

公開日・更新日

公開日
2012-06-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201130008Z